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2018 / 09
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フルニエ
【Sony SICC-2166】

マルティヌー: チェロ・ソナタ第1番H.277
ドビュッシー: チェロ・ソナタ ニ短調
シューベルト: アルペジオーネ・ソナタ イ短調D.821
シューマン: アダージョとアレグロ変イ長調作品.70

ピエール・フルニエ(チェロ) 小林道夫(ピアノ)


フルニエ、75歳の記念、上野の石橋メモリアルホールの録音です。
チェロと言えばひと昔前にはフルニエで、無伴奏チェロ組曲では
カザルスのもの以上に人気のあったものでした。
ケンプとのベートーヴェンのソナタも然り。
この録音を聴いて感じることはまず、75歳にして
ほとんど技術的な綻びがないことがすごいのと、
ちょっと固めの歌わせ方は若い頃と同じ。
フルニエに献呈されたマルティヌーのソナタの迫力はすごいし、
シューベルトの昇華した力のある音楽、
シューマンは自信にあふれている。
ドビュッシーはちょっと場違いなイメージながら、
やはりチェロという楽器の巨匠のつくる音楽になっている。
となると小林道夫さんのピアノは「支える」ことに全力を尽くすため、
二重奏としての在り方とは少々違ったチェロ音楽になっています。
ひと昔前のスタイルにですが少なくとも
私はこのスタイルで育った世代。大切な録音の一つです。
(特別寄稿:JN)

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プレスラー
【CEDILLE CDR 90000 170】
ブラームス ピアノ五重奏曲 ヘ短調 Op.34
シューマン 弦楽四重奏曲第1番 イ短調 Op.41-1
パシフィカ四重奏団 メナヘム・プレスラー(ピアノ)

先ごろ、エベーヌ四重奏団とドヴォルザークの
ピアノ五重奏曲を中心としたプログラミングで
90歳のバースデーをお祝いしたプレスラー。
ボザール・トリオの中心としてピアノトリオとしての
スタンダードを確立したプレスラー。
録音を聴くとその巧みさに舌を巻きますが、
ボザールで活躍していた頃の録音と比べると、
90歳はさすがに枯れすぎ?という印象を持ちました。
旬のエベーヌとやるのはすこし分が悪い印象が
ありました。この録音はパリでのライヴで2013年11月7日。
ところが、さらに元気なひ孫世代のパシフィカ四重奏団と
新しいCDをリリースしました。録音は2014年11月19-21日
なので91歳。すこし弦楽器に寄った録音は分が悪いとはいえ、
やはり枯れてしまっていて何にも迫ってくるものがないのです。
あら、ピアノがあったのね、みたいな感じです。
ブラームスは生涯初録音とのことですが、それがどうした
といった風情。やはりそろそろお役御免でも
いいのではないでしょうか?
音楽はもっと力強いメッセージを発信するもののはずです。



ヨッフェ
【ビクター VICC-63】
ショパン ワルツ全集 幻想曲 Op.49
ディーナ・ヨッフェ(ピアノ)

1975年のショパン・コンクールでどうしてヨッフェが
優勝できなかったか舞台裏の様子をライナー・ノーツは
伝えている。コンクールにつきものの話ながら、
1位のツィメルマンは大ピアニストに成長したし、その意味では
順番はまちがっていなかったのかもしれない。さて、ワルツ集。
ヨッフェのピアノはあまりこれ見よがしなルバートを多用しない。
絶妙なタッチと、おおきなダイナミックレンジ、間の取り方の
うまさは特筆もの。酔わせてくれるような演奏とは違うけれど
このやり方もありと納得させてくれるものがあります。
コンクールで魅せた夢見るような笑顔を忘れられない人は
私を含めて多いに違いありません。さらに幻想曲の演奏は
実に堂々としていて、もてる表現方法を縦横に駆使し大変な
名演となっており、さすがにこのレベルの演奏をできる人は
数少なく、曲が立派な分とても聴きごたえがしました。
ただジャケットにある通り、ショパンよりヨッフェの名前が大きく
クレジットされていて、これは逆じゃないかと思います。
ピンクの文字と言い、その演奏とは真逆のため違和感を
感じます。解説書には使用ピアノの情報もないし、
こうなるとやはり借り物の文化を感じてしまいます。
(特別寄稿:JN)


マリーノ
【Marston LANGNIAPPE Nibya Marino】
ニブラ・マリーニョ(ピアノ)
・チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 Op.23
・バラキレフ イスラメイ
・ラフマニノフ、スクリャービン、アルベニスなどの作品

この人の名前はまったく知りませんでした。解説によると
1920年にウルグアイで生まれ、2014年に亡くなっています。
いわゆる神童の一人としてアルトゥール・ルービンシュタインが
ブエノス・アイレスのコロン劇場に連れていき、シューマンの
協奏曲をアンセルメと演奏した少女はその時11歳だった
そうです。その後15歳にして、コルトーの門下生として
4年間をパリで過ごし1938年のイザイコンクールで入賞、同じ頃
やはりコルトーの生徒だったリパッティと邂逅しています。
その後はクライバー、ミュンシュ、マルティノン等との競演と
輝かしいキャリアを誇ります。
ではどうして忘却されたピアニストになってしまったのでしょう?
その答えをこれらの録音を聴いて納得しました。
メカニックのすさまじさはチャイコフスキーの3楽章のテンポを
聴いただけですぐに理解できるし、つぎが最難曲として知られる
イスラメイ。これだけでも賞賛に値するのかもしれませんが、
聴き続けると飽きてしまい何を聴いても同じように聴こえてきます。
まるで自動ピアノが演奏しているかのような何の感動もない
音楽でした。神様は残酷なものです。
彼女にはギフトを授けなかった、としか言いようがありません。




シゲティ
【キング KICC2205】
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ(K305,K380,K301,K377,K526)
ヨーゼフ・シゲティ(ヴァイオリン)アンドール・フォルデス(ピアノ)

シゲティ51歳の時の録音(1943年、ニューヨーク)です。
録音は戦中ということもあり、条件は良くなかったと思います。
ただ、このCDの復刻は鑑賞するのには十分音楽的な
クオリティが維持されているだけでなく、極上の音楽を
提供しています。ヴァイオリンはとにかく自己主張が
しっかりしているけれど、それはとてもモーツァルトの音楽に
寄り添ったもので、いつまでも聴いていたい、
ああ、これが終わらないでほしいと思ってしまいます。
フォルデスのピアノもしっかりとヴァイオリンに
寄り添うだけでなく、よく聞くとチャン言うべきことは言っている。
ヴァイオリンを立て、寄り添うことで音楽的な達成をしている。
本当は音楽的な主役はヴァイオリニストではなく、
ピアニストのはずですがあまりそうしてしまうと、なんか
つまらなくなってしまう。美しさに背を向ける、
中身を抉り出すシゲティ。並みの作曲家の作品だったら
演奏者に支配されてしまうところ。さすがにモーツァルトです。



yatchan2003

Author:yatchan2003
2003年から活動開始。
音楽への想いを伝えたい!
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