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2019 / 12
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オイレンブルク
セザール・フランク ピアノ五重奏曲 ヘ短調
フランクといえばヴァイオリン・ソナタが断トツに有名です。
そしてもう一つああ、あの曲というのは「天使のパン」。
作曲家としての見立ては弟子のポール・デュカスが
指摘しているように、ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」を
知ってから作品の充実度が格段にアップしたようで、
このピアノ五重奏曲はワーグナー張りの半音階的な動きが
随所に現れます。なかなかスコアがなくて苦労しましたが、
無事オイレンブルク版を入手でき、本番(来年2月)に向け
鋭意研究中です。

(J,N)


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馬あぶ
【Boosey & Hawks 8000352】
「馬あぶ」とはショスタコーヴィチのもっとも有名な映画音楽です。
馬がすでに労力を提供する動物ではなくなり、結果として馬に
まとわりつく「馬あぶ」も知らない人がほとんどではないでしょうか。
私もその一人ですが。映画の内容はさておき、音楽としてみた場合、
「馬あぶ」は楽しい曲がたくさん詰まっています。映画の中から
作曲者の友人、アトヴニヤンが12曲を編曲して管弦楽の組曲として
出版されたものが有名ですが、さらにその中から5曲を
ピアノ五重奏+コントラバスへの編曲をロゴールが行いました。
ライヴ・イマジン43で演奏するのはこの版に依るもので、
この中の「ロマンス」を是が非で演奏したかったのですが、
とうとうチャンスがやってきました。
ショスタコーヴィチの本音を語り、表現したといわれる室内楽作品ですが、
やはり初めて聴くには少々きついものもあるはずです。
そんな訳で極上のデザートを用意したので、是非ご賞味ください。

(文責・J.N)

ヴェーベルン
【Carl Fischer】
ヴェーベルン Langsamer Satz(1905) for String Quartet

ヴェーベルンは1883年、ウィーンに生まれた作曲家。
言わずと知れたシェーンベルク一派の筆頭で、
いわゆるゲンダイ音楽の人。作品番号1は1908年の
大管弦楽のための「パッサカリア」ですが、
その前に作られたものは後期ロマン派の色が濃いもので
多くが死後出版されました。この時期の代表的なものは
大オーケストラのための牧歌「夏風の中で Im Sommerwind」と
この「弦楽四重奏のための緩徐楽章 Langsamer Satz」の
二つです。もしこの路線をそのまま継続していれば
リヒャルト・シュトラウス以上の人気作家となり得たかもしれません。
個人的には「夏風の中で」は日本のオーケストラでも時々
演奏されており大好きですが、こちらもとても味わい深い佳作。
ゲンダイ音楽ではないヴェーベルン。
1961年にアメリカのCarl Fischerが出版権を取得しており、
初演は1962年にシアトルにてワシントン州立大学四重奏団により
行われました。11月のライヴ・イマジン41で取り上げる予定です。
(特別寄稿J.N)

後宮からの逃走
【Wiener Urtext Edition】
Overture to "The Abduction" ("Die Entführung aus dem Serail")
Original Piano Edition, KV 384/1
Composer: Wolfgang Amadeus Mozart
Edited from the sources by Ulrich Leisinger
Fingering: Detlef Kraus
Postscript: Robert Levin

モーツァルトのオペラ「後宮からの逃走」は当時大ヒットしました。
となると著作権などない時代のこと。すかさず室内楽に
ピアノソロにと編曲して出版する輩がたくさん出てきます。
いくらモーツァルトであっても先を越されてしまうと
二番煎じになりかねないため、先んじてピアノソロへの編曲を
出版しようとしました。当初はオペラ全曲を意図したらしいことが、
父レオポルドへの手紙に残っていますが、どうやら
遺されたものはわずかで、その中の一つがこの「序曲」です。
何といっても作曲者自身の編曲。
軽快な出だし、「逃げろや逃げろ!」はまったく屈託のない
魅力的なものですが、実はこの楽譜の最後には「カプリッチョ」が
添えられていて、独立した曲としての体裁を整えています。
この出版に一肌脱いだレヴィン曰く、
「ちろん、コンサートではカプリッチョ付きで弾いているよ!」とのこと。




オクテット
【Leipzig C.F.Peters】
メンデルスゾーン 八重奏曲 Op.20
作曲者による4手編曲版

メンデルスゾーンの八重奏曲をアカデミー室内アンサンブルの
演奏で聴きました。素晴らしいメンデルスゾーン、おみごと!
これが16歳の時の作品と知って二度びっくり!
「真夏の夜の夢」序曲がまだ二十歳前なのは知っていましたが、
これより以前にこんな素晴らしいものを作っていたなんて。
一気にこの曲のファンになってしまいましたが、
なにしろ弦楽のための曲。
ピアノ弾きには所詮縁のないモノと寂しい思いをしていました。
ところがそんな折、発表会用のピアノ連弾作品を探しているときに、
なんと作曲者自身が4手用に編曲したものがありました。
ペータースの譜面も入手、さっそくこれを公開でやろうと相方に
連絡しました。ピアノという単色の楽器がどれほどこの曲を
伝えられるか心配ですが、ロマン派の作曲家たちは交響曲を
はじめとして自身の大きな作品をピアノ連弾に編曲しています。
ブラームスしかり、シューマンしかりですが
当時のピアノブームを思い起こされます。
プレスト、息を吞むような音楽のうねりに熱くなりました。


yatchan2003

Author:yatchan2003
2003年から活動開始。
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