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2019 / 10
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馬あぶ
【Boosey & Hawks 8000352】
「馬あぶ」とはショスタコーヴィチのもっとも有名な映画音楽です。
馬がすでに労力を提供する動物ではなくなり、結果として馬に
まとわりつく「馬あぶ」も知らない人がほとんどではないでしょうか。
私もその一人ですが。映画の内容はさておき、音楽としてみた場合、
「馬あぶ」は楽しい曲がたくさん詰まっています。映画の中から
作曲者の友人、アトヴニヤンが12曲を編曲して管弦楽の組曲として
出版されたものが有名ですが、さらにその中から5曲を
ピアノ五重奏+コントラバスへの編曲をロゴールが行いました。
ライヴ・イマジン43で演奏するのはこの版に依るもので、
この中の「ロマンス」を是が非で演奏したかったのですが、
とうとうチャンスがやってきました。
ショスタコーヴィチの本音を語り、表現したといわれる室内楽作品ですが、
やはり初めて聴くには少々きついものもあるはずです。
そんな訳で極上のデザートを用意したので、是非ご賞味ください。

(文責・J.N)

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ヴェーベルン
【Carl Fischer】
ヴェーベルン Langsamer Satz(1905) for String Quartet

ヴェーベルンは1883年、ウィーンに生まれた作曲家。
言わずと知れたシェーンベルク一派の筆頭で、
いわゆるゲンダイ音楽の人。作品番号1は1908年の
大管弦楽のための「パッサカリア」ですが、
その前に作られたものは後期ロマン派の色が濃いもので
多くが死後出版されました。この時期の代表的なものは
大オーケストラのための牧歌「夏風の中で Im Sommerwind」と
この「弦楽四重奏のための緩徐楽章 Langsamer Satz」の
二つです。もしこの路線をそのまま継続していれば
リヒャルト・シュトラウス以上の人気作家となり得たかもしれません。
個人的には「夏風の中で」は日本のオーケストラでも時々
演奏されており大好きですが、こちらもとても味わい深い佳作。
ゲンダイ音楽ではないヴェーベルン。
1961年にアメリカのCarl Fischerが出版権を取得しており、
初演は1962年にシアトルにてワシントン州立大学四重奏団により
行われました。11月のライヴ・イマジン41で取り上げる予定です。
(特別寄稿J.N)

後宮からの逃走
【Wiener Urtext Edition】
Overture to "The Abduction" ("Die Entführung aus dem Serail")
Original Piano Edition, KV 384/1
Composer: Wolfgang Amadeus Mozart
Edited from the sources by Ulrich Leisinger
Fingering: Detlef Kraus
Postscript: Robert Levin

モーツァルトのオペラ「後宮からの逃走」は当時大ヒットしました。
となると著作権などない時代のこと。すかさず室内楽に
ピアノソロにと編曲して出版する輩がたくさん出てきます。
いくらモーツァルトであっても先を越されてしまうと
二番煎じになりかねないため、先んじてピアノソロへの編曲を
出版しようとしました。当初はオペラ全曲を意図したらしいことが、
父レオポルドへの手紙に残っていますが、どうやら
遺されたものはわずかで、その中の一つがこの「序曲」です。
何といっても作曲者自身の編曲。
軽快な出だし、「逃げろや逃げろ!」はまったく屈託のない
魅力的なものですが、実はこの楽譜の最後には「カプリッチョ」が
添えられていて、独立した曲としての体裁を整えています。
この出版に一肌脱いだレヴィン曰く、
「ちろん、コンサートではカプリッチョ付きで弾いているよ!」とのこと。




オクテット
【Leipzig C.F.Peters】
メンデルスゾーン 八重奏曲 Op.20
作曲者による4手編曲版

メンデルスゾーンの八重奏曲をアカデミー室内アンサンブルの
演奏で聴きました。素晴らしいメンデルスゾーン、おみごと!
これが16歳の時の作品と知って二度びっくり!
「真夏の夜の夢」序曲がまだ二十歳前なのは知っていましたが、
これより以前にこんな素晴らしいものを作っていたなんて。
一気にこの曲のファンになってしまいましたが、
なにしろ弦楽のための曲。
ピアノ弾きには所詮縁のないモノと寂しい思いをしていました。
ところがそんな折、発表会用のピアノ連弾作品を探しているときに、
なんと作曲者自身が4手用に編曲したものがありました。
ペータースの譜面も入手、さっそくこれを公開でやろうと相方に
連絡しました。ピアノという単色の楽器がどれほどこの曲を
伝えられるか心配ですが、ロマン派の作曲家たちは交響曲を
はじめとして自身の大きな作品をピアノ連弾に編曲しています。
ブラームスしかり、シューマンしかりですが
当時のピアノブームを思い起こされます。
プレスト、息を吞むような音楽のうねりに熱くなりました。


フォーレのスコア
【Musikproduktion Hoeflich】
スタディ・スコア 114

フォーレ ピアノ五重奏曲第1番 ニ短調 Op.89
練習の時には、ほとんどの人がスコアを持参します。
どれだけ役に立っているかは本人次第ですが、
まずこれがないと弦楽器奏者はつとまりません。
なぜなら自分の弾く分しか楽譜(パート譜)にはないので、
スコア(総譜)を見ないと、他の人が何をやっているのか
さっぱりわからないのです。
素朴な疑問は、ピアノの入った室内楽の場合、
ピアノ譜の上にはほかのパートが小さめではあってもちゃんと
印刷されているのです。どうしてこういう慣習ができたのか
教えてほしいくらいですが、とにかくスコアは演奏するには
絶対条件になります。オイレンブルク(イギリス)なんていう
スコア専門会社も存在するくらいですから。
この曲の出版はアメリカのG.Schirmer(!)から1907年、
初演の翌年に出版されています。演奏譜もながらく手に入りにくかった
ものですが、最近のスコアはなぜかドイツのHoeflichです。
それは出版されているようですが、なかなか入手しにくいもの
とのことで、店頭でみつけたらどうかお見逃しなく。
(特別寄稿 J.N)

■管理人より文中の言葉について少し補足します。
一般的には、「スコア」というと何かの「点数」みたいな
意味合いで使われると思いますが、音楽の場合の「スコア」は
演奏する全部の楽器の楽譜が書いてあるもので
「総譜」と呼ばれるものです。

オーケストラの曲だと指揮者の楽譜に全員分の楽譜が
書いてあり、指揮者はそれを見ながら各奏者の動きを把握して
全体をまとめていくことになります。

上記の文章にもありますように、ピアノの入った室内楽では、
ピアノの楽譜に全員分の楽譜が書いてあります。
これは、ピアノが指揮者と同様の役割を担う為だと思います。

フォーレのこの曲の冒頭部分は以下の通りです。
上の段から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン
ヴィオラ、チェロ、そして沢山の音符が書いてあるのが
ピアノです。このページの上段は全員の1小節目、
下段は全員の2小節目です。この曲はピアノで始まり、
2小節目で第2ヴァイオリンが旋律を弾きます。
フォーレP5冒頭のピアノ譜

そして、「パート譜」というのは、
それぞれの楽器の担当部分だけが書かれている楽譜です。
以下は、それぞれの楽器ののパート譜です。

上段左が第1ヴァイオリン、その右隣が第2ヴァイオリン
下段左がヴィオラ、その右隣がチェロです。
フォーレP5冒頭のVn譜セカンド
ヴィオラパートチェロパート

ご参考までに。




yatchan2003

Author:yatchan2003
2003年から活動開始。
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