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2012 / 01
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リパッティ
【APR 5509 】
ディヌ・リパッティ(ピアノ

無人島に連れて行くピアニストを挙げよと言われたら
なんて答えますか?私は迷うことなくディヌ・リパッティを挙げます。
しかしあまりにも個人的なことでもありブログに載せようか迷いましたが、
今更リパッティでもあるまいなどという暴言は絶対に許されません。
その清新で高貴な演奏に、ショパンのソナタを聴くたびに本当に
目頭が熱くなってしまいます。ブルガリアに生まれ、コルトーの薫陶を
受けたリパッティはわずか33年の生涯でしたが、同郷のクララ・ハスキルが
嫉妬したほどの才能が生み出し、遺された録音は、そのすべてが
人類の宝に違いありません。このCDは1947年、リパッティ30歳のときに
有名なアビーロードスタジオでスタインウェイ299を使って録音されたものが
すべておさめられています。そしてこのCDは78回転のSPレコードからの
トランスファーがとてもうまくいっているようで、もこもこした音質ではなく
輝かしく、そして絶妙なニュアンスが再生されます。収録曲は、
スカルラッティのソナタ2曲、バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」、
ショパンのノクターン、ワルツ、ソナタ第三番、
リストの「ペトラルカのソネット」とグリークのピアノ協奏曲です。


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今年最初の「ライヴ・イマジン21」の公演を、1月21日(土)
すみだトリフォニーホールの小ホールで行いました。
21回目の公演は再出発と位置づけ、曲目はここでもう一度
初心に立ち返ってみようという思いを込めて、
古典派の音楽に取り組むことにしました。
挨拶
あいにくの寒いみぞれ混じりの雨にもかかわらず
外に行列が出来たので、開場時間を早めてお客様をお迎えしました。


フルートカルテット
最初は、モーツァルトのフルート四重奏曲第1番ニ長調KV285。
フルート人口は多いものの、この超人気有名曲を正式な場で演奏し、
聴く機会は意外と少ないものです。明るく軽やかで美しい音色が
春風のように会場を吹き抜けます。やはり知っている旋律を最初に
耳にすると客席もホッとした暖かい空気になります。
この曲の第3楽章は、ヴァイオリンとヴィオラの腕の見せどころで、
速いオブリガートが華やかさと、息をのむような掛け合いに拍手喝采でした。


ベートーヴェン弦トリオ
続いては、ベートーヴェンの弦楽三重奏曲 ト長調 Op.9-1。
ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロが丁丁発止のやりとりを交わします。
ベートーヴェン初期の作品とはいえ、しっかりとした4楽章構成を持ち、
目まぐるしいほどの速いパッセージ、ダイナミックレンジの広さ、
随所に現れる強弱の対比に早くも楽聖独自の個性の強さを見せます。
それだけに各奏者の負担は相当なもので、緊張感のある渾身の演奏が
会場の空気を震わせました。


ピアコン2
休憩後は、モーツァルトのピアノ協奏曲第20番二短調KV466。
モーツァルトの数ある協奏曲の中でも最も評価の高い曲で、
歴代の有名作曲家が競うようにカデンツァを書いたことでも、
その人気ぶりが伺えます。前回の天真爛漫な明るさを持つ第23番の
協奏曲に続いて、対照的な曲想を持つ第20番、しかも今回は
フンメル編曲版ということで多くの方々の興味を引きました。
ピアノにフルート、ヴァイオリン、チェロが加わった変わった編成のため、
ピアノはオーケストラ部分と独奏部分を全て弾く形になっています。
冒頭部分からピアノで始まり、不安に揺れ動くテーマと
強弱の強烈な対比に圧倒されます。第2楽章はフンメルが、
ショパンにつながる華やかな装飾を加え、第3楽章は情熱的な煌めきを
感じさせます。ブラヴォーの声もかかる拍手喝采に感無量の瞬間でした。


ピアコン3
アンコールは、ハイドンのピアノ協奏曲第3番の第2楽章。
最後にハイドンが登場し、古典派の大作曲家が勢揃い。
ゆったりとした典雅な旋律に熱くなった気持ちも穏やかに、
終演となりました。

お陰様で盛会のうちに無事に公演を終えることが出来ました。
ロビーで多くのお客様に声をかけて戴き嬉しさもひとしおでした。
この思いを励みにまたこれからも頑張りたいと思います
集合写真
次回の公演は5月12日(土)荻窪のかん芸館にて。
ドビュッシーのピアノ三重奏曲とピアソラのタンゴの歴史、
グランタンゴなどを予定しています。どうぞお楽しみに。

2cellos
2cellos来日追加公演  2012年1月18日 渋谷公会堂
クロアチア出身のルカ・スリックとステファン・ハウザーの
イケメン2人組「2CELLOS」の来日公演に行ってきました。
チェロ2本だけで演奏したマイケル・ジャクソンの大ヒット曲
「スムーズ・クリミナル」が僅か3週間で視聴300万回という
超人気ユニットです。
ステファン・ハウザーは、ロストロポーヴィチの最後の弟子、
ルカ・スリックもコンクール優勝歴のある将来を嘱望されている、
クラシック界のホープですが、ネットで一気にブレイク、赤丸急上昇中です。
2人のルックスと演奏に惹かれてチケットを入手したものの、
違うジャンルなので、どうなることやら・・という危惧の気持ちもありました。
会場は老若男女が入り混じる光景です。
PAにつないだエレクトリックチェロを持ち、それぞれが
バッハの無伴奏組曲から1曲ずつ演奏して公演は始まりました。
ただ、やはりエレクトリックの限界か、はたまたあまりにも
大きなボリュームのせいかクラシカルな繊細な表現はありません。
私は動画のようにアコースティックを使ったショスタコーヴィッチ
のようなものも期待していたのですが。
バッハのあとはCDでおなじみの曲を次々と熱いパフォーマンスで演奏し、
さすがの超絶技巧と抜群のリズム感で、会場を興奮の渦に巻き込みました。
後半はドラムも加わり最高潮に。耳をつんざくばかりの大音響と
激しく瞬くライトにも圧倒されチェロでここまで出来るのか!?
と思いを新たに。休憩無しでの90分、ヴォーカルなし、
曲間のトーク(MC?)も少ないし、楽器演奏だけでの構成は少々単調で、
まだまだこれからという感じもしましたが、それを補って余りある
迫力でした。知らない世界を垣間見たようで、とても新鮮でした。


ローゼン
【Nimbus NI2559
チャールス・ローゼン(ピアノ)
先の「ピアノ・ノート」ではその博識ぶりと音楽への情熱を
さあっと見せてくれたローゼン。どこかの批評にも
北米に生まれた最大のピアニスト、なんて書いたものもあって
録音をさがしてみましたが、これがなかなかみつかりませんでした。
さてこのCDの題名は「ロマンティック・ジェネレーション」
と言います。ローゼンは1927年生まれ、リストの弟子、
モーリッツ・ローゼンタールにピアノを学んでいます。
なるほど、この表題はロマンチックな系譜に乗っかって
いるってことかな、などと期待に胸を膨らませながら
聴きはじめました。しかし残念ながら、私たちは「超」のつく
一流の人たちの演奏を知っていました。一言でいえば物足りない
のです。ショパンのノクターンから聴こえてくるものは、
確信に満ちた表現ではなく、残念ながら譜面を音にしたレベルの
ものです。リストとシューマンの印象もしかり。
しっかりと弾いているし、その技巧の確かさはみとめますが、
それ以上のものではありません。音楽とはなんと難しいものなのか、
知識、理性だけでは人に訴えかけることはできない、
湧き上がるインスピレーションこそがギフテッドと呼ばれるものの
正体でしょうし、これだけは毎日の厳しい練習から
得ることのできないものです。



マエストロ
マエストロ
篠田節子著 角川文庫

篠田さんは「女たちのジハード」で一時は飛ぶ鳥落とす勢いの
人気作家でした。ご自身でチェロを弾かれるということもあって、
音楽が作家としての基本軸のひとつにあります。
「マエストロ」という表題、単語からしてクラシックの
世界でなければあまり使われることもないものです。
エンターテイメントの要素もたっぷりとありますが、
華やかなソリストとライバル、それをとりまく怪しげな
ヴァイオリン(骨董品でありながら現役という)とそれに
群がる人たち、男と女。虚実の世界が入り乱れます。
文庫本の表紙にあるような官能的なものよりは現実的な
内容ですが、これも日本のクラシック音楽の世界の一面を
切り取ったものなのでしょう。篠田さんの筆は正確に(きっと)
現実を描写しているし、音楽のとらえ方も的確。テンポの良さで
一気に引き込んで読ませてしまう技術は大変なものです。
このあと、篠田さんは「直木賞」作家へと上り詰めます。
弦楽器だけの殊な世界かもしれませんが、逆に弦をやっている人達が
読むべき内容も多いと思いました。



ベートーヴェン弦楽トリオ
【EMI 7 54198 2】
イツァーク・パールマン(ヴァイオリン)
ピンカス・ズッカーマン(ヴィオラ)
リン・ハレル(チェロ)

ベートーヴェンに弦楽三重奏というものがあるのかすら
知らずにいましたが、この次のライヴ・イマジンの
プログラムに載りました。作品番号からすると初期の作品
のようですが、もうこのころのベートーヴェンは自我の確立が
なされています。きこえてくる和音はまさに彼のものですし、
ちいさなどうにもならないようなモチーフから見事な構築物を
こしらえるマジシャンのような人です。初期の作品では
「悲愴」ソナタなんてのもあるけれど、同様にひとつ前の世代
の作曲家たちとは一線を画した強い個性のあらわれたものです。
さて、この3人の名手をそろえた演奏は、ひとことでいうなら
前出のボザールトリオのような室内楽の奥儀をわきまえた
精緻なものとはちがって、ライヴ録音とはいえ悪く言えば
まとまりに欠けるものでした。20世紀後半を代表する
ヴァイオリニスト・パールマンにはもっと「歌って」ほしいし、
ヴィオラは主張してほしいし、大切なところでグリッサンドを
いれて一人悦に入るチェロにいい印象はありません。
ただカルテットの世界とは異質な構成なので、これはこれで
いいのかもしれませんが、音色も決して美しくもないので
やはり繰り返し聴くには難がありそうです。
でもこれはライヴ録音で、コンサートを聴きに行った人たちは、
3人の名手が目の前にいるだけできっと満足したに違いありません。

ボザールトリオ

【Philips 432 125-2】 ボザール・トリオ
メナヘム・プレスラー(ピアノ)
イシドア・コーエン(ヴァイオリン)
ピーター・ワイリー(チェロ)

ボザール・トリオは実に長いキャリアを持つ団体ですが、
実はプレスラーだけが変わらずにほかのパートは何回かメンバーが
入れ替わっています。アメリカには看板はそのままでも中身が
入れ替わっているジュリアード・カルテットなんてのも有名です。
このCDに収められている曲はメンデルスゾーンの二番のトリオと
スメタナという実に渋い組み合わせです。メンデルスゾーンは
いわゆるメントリとして有名ですが、そのメントリは一番の方を
指します。特徴としてピアニスト泣かせ。たぶんヴァイオリンと
チェロの音符を全部合わせてもピアノの半分くらいしか
ないんじゃないでしょうか?で、こちらの二番はどうかというと、
曲が渋くなっているだけでやっていることは同じ感じです。
プレスラーのピアノは心憎いばかりに、この真っ黒な譜面から
軽やかでさわやかなものを引き出していて、室内楽ってのはね・・
などと聞こえてきそうな風情です。これに触発されたわけでは
ないでしょうけれど、ヴァイオリンもひそやかに、そして語るように
弾いています。たださすがにここに聴かれる大人の表現は
自分よりも曲、作曲家への奉仕という作業の結果であることが
よくわかります。ボザールトリオの演奏は良くも悪くも
プレスラーが主導して作っているからほかのメンバーが代わっても
本質は変わらない。若いころコンサートピアニストとして
バリバリ弾いていたプレスラーでしたが、その後はこれ一本。
このトリオは2008年に50年以上にわたるその活動を
終了したようです。おつかれさまでした!



あけましておめでとうございます。
昨年は日本中が本当に大変でしたが、
今年こそは良い一年であってほしいと思います。
ライヴ・イマジンは、2003年に演奏活動を始めて以来、
回を重ねて1月21日が第21回目の公演となります。
「続ける」というのは、とても大変なことですが、
お客様、出演者、スタッフを始め多くの方々に
支えて頂いたからこそと感謝の気持ちで一杯です。
毎回終演後のアンケートでご意見を頂くことが大きな励みとなり、
力づけられる思いがします。また、ご案内状発送の折には
お客様が増えていることを毎回実感しています。
こういった積み重ねが、私達の何よりの大切な「財産」に
なっていると思います。これからも向上心を忘れずに
少しでも皆様の心に届く音楽をお聴き頂ければと
気持ちを新たにしています。
今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

ライヴ・イマジン一同


yatchan2003

Author:yatchan2003
2003年から活動開始。
音楽への想いを伝えたい!
お客さまと共に楽しみたい♪
をモットーに進化中。