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2012 / 03
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子供の花園
子供の花園 
ピアノのための38のやさしい小品
アンリ・ルモワンヌ楽譜出版社刊

子供用の曲集が好きです。後世に名前を残すような作曲家達は、
たとえ子供が対象であっても優れたものを残しています。
ロシア、フランスのものに素敵なものが多くて、日本の作曲家のものは、
内容が少し難しいかなという印象があります。いずれにしても単なる
初心者用という観点からでなく、子供に対しての優しい眼差しを
感じさせるような小品集で、ちょうど絵本を読むように、
弾いていて気持ちを暖かくさせるものがあります。
「シンプルで易しい」ので私自身が一番楽しんでいるのかもしれません。
ただ使用されている和声、リズムなどは洒落ていて、どきっとさせられたり、
曲名もよく特徴をとらえているものが多いです。
「子供の花園」はフランスの出版社なのに日本語訳がついているので、
わかりやすくキラ星のごとく並ぶ近代、現代のフランスの作曲家達の
名前を見ただけでもワクワクします。
オーリック、タイユフェール、フランセ、デュティユー、フランク・・・
中には全音出版社刊の「カイエ・ドゥ・ルモワンヌ1,2巻」と
同じ曲がいくつかありました。中古楽譜の中で偶然見つけたものですが、
それこそ一期一会のような感じさえします。
私にとって素敵な宝物がまた一つ増えました。



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N響
【キングインターナショナル KKC2001/2】

・ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調「皇帝」(1953)
ワルター・ギーゼキング(ピアノ)
クルト・ヴェス指揮 NHK交響楽団

・チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調(1957)
エミール・ギレリス(ピアノ)
ウィルヘルム・ロイブナー指揮 NHK交響楽団


昨年NHK交響楽団は85周年を迎えました。その記念で
リリースされたものの一つですが、このコンサートで
ギーゼキングを迎えたN響はまだ27歳でした。
ギーゼキングは20世紀の最大のピアニストだと信じていますが、
ソリストは孤独ですね。当時のN響の緊張が伝わってくる
生真面目で薄っぺらな響きの上で(必ずしも指揮者だけの
問題ではないはず)ピアノだけが格の違いを見せつけて
いるような印象です。ただオケのあまりの反応の悪さに
最終楽章は少々やけっぱち気味に弾いているようなところもあるし、
1楽章の終わりには拍手もはいるし、ライヴの醍醐味は
たっぷりと味わえます。一方、ギレリス。ギーゼキングから
4年たちましたがこの間にオケは間違いなく成長しています。
響きも奥深いものにかわってきているし、何よりも積極的に
音楽をつくる姿勢が出てきています。それにしてもギレリスの
スカッとする打鍵のすさまじさは唖然とするばかりです。
聴衆の反応、熱狂もしっかり録音されています。
私たちにとっては二人のピアニストが偉大だったことを
改めて知ることが出来たし、貴重な録音でしょうけれど、
ライヴならでのミスももちろんあります。
お二人とも生前だったらリリースを許可したかどうか、
と考えてしまいました。

ユジャ
【DG 479 0052】
「ファンタジア」
ユジャ・ワン(ピアノ

待ってました!前作、ラフマニノフの協奏曲からほぼ1年ぶりの
リリースです。技巧の安定感は抜群だし、なによりその技巧が
音楽のために使われているのでいくら聴いても聞き飽きることは
ありません。ハフのピアノがそうであるように、ユジャは
これらの曲がとても好きなのだろうなって思います。
ラフマニノフっていいなあと思わせたかと思うと、
ウキウキして疾走するスカルラッティ、ショパンの小さなワルツが
スケール大きな舞踏会に早変わり、ホロヴィッツのカルメンなんか
本人以上に音楽的じゃないかしら?「魔法使いの弟子」も
最初の宝石のような輝きの響きを聴いただけでうわっ、きっと何かが
起きるぞと思っていると、あらら魔法使いの弟子の登場に
体がいつのまにか自然にスィングしています。
サン・サーンスの「死の舞踏」しかり、こういうのは物語を
知らないと絶対にできない表現です。中国勢、ユンディ・リ、
ラン・ラン、そしてユジャ。なかでも最高なのはユジャかな。
ということはもちろん世界最高!と言っても言い過ぎではありません。
異次元のスーパースターです。

四季
ポリドール POCG-1197】
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

このヴィヴァルディの「四季」はカラヤンが20世紀に
世界に君臨を始めたころの録音ですが、これよりも10年ほど前に
イ・ムジチ合奏団がスーパーヒットを飛ばしています。そういえば
同じころミュンヒンガーなんてのもありました。
カラヤンの「四季」は大きな編成で余裕綽々で堂々たる演奏です。
ベルリン・フィルの弦合奏の精緻さ、低弦のパワーもすごいし、
なめらかで自然な表情、凛とした佇まいのシュヴァルベのソロ、
このスタイルで四季を演奏されるというのはもう現代では
ほとんどありませんが、これ、何が悪いのさ、と思ってしまいます。
耳に心地よいだけでなく、しっかり耳をとらえます。
通奏低音のチェンバロもかすかに聞こえてきますが、このころ、
日本にはまだほとんどチェンバロという楽器はなかったはずですし、
世界中を見渡したって、まだまだ先頃亡くなったレオンハルトや
アーノンクールは異端扱いされていましたから、この付け足したような
カラヤンの通奏低音に異を唱えた人もいませんでした。
いずれにせよ、好きか嫌いかを問われて、嫌いと答えるのは
やはりちょっと素直じゃない人かな。


ヘルシャー
【タワーレコード PROC-1158】
ルートヴィヒ・ヘルシャー(チェロ)
イェルク・デームス(ピアノ)

ブラームスのチェロソナタ二つ。私はスケールの大きな第二番が
特に好きです。ブラームスの渋い室内楽は若いころなじめなくても
年齢を重ねるほどにその良さがどんどん自分のものになるようです。
チェロはドイツのヘルシャー。この人はフルトヴェングラー時代の
ベルリン・フィルの首席だったそうです。また日本でも芸大で
教えていて、名誉教授の称号まで贈られているとか。
ピアノはグルダ、バドゥラ=スコダと並ぶウィーン三羽ガラスの
一人でまだ若いデームスです。さて一番の出だし、なんといい音の
するチェロでしょう!まるでフィッシャー・ディースカウの
朗々としたバリトンが鳴っているような、そしてまるで
ドイツ・リートを聴いているかのような旋律の歌わせ方。
こんな素敵なチェロはめったにお目にかかれるものではありません。
語りかけ、歌う、この印象のまま一気に最後まで聴きとおして
しまいました。デームスもカチッとしたピアノでチェロと過不足なく
やりあっています。大上段に構えずに、言葉のない親密な
語らいの時間、大人の音楽に大人の演奏です。



奏楽堂3
2011年4月 「ライヴ・イマジン19」公演  旧奏楽堂
旧奏楽堂さんから手紙が届きました。そこに書かれていたのは
「旧東京音楽学校奏楽度の利用中止について」ということで、
ショッキングなことでした。昭和62年に現在地へ移築されてから
すでに25年を経過しており、建物の老朽度、耐震強度等の調査のため、
来年の4月以降のホールの貸し出し、および入館を停止する
とのことでした。ライヴ・イマジンとしては、
2006年の「タンゴ・センセーションズ」を皮切りにして、
昨年の公演までに5回をこのホールで行っており、数多くのお客様に
足を運んでいただきました。そのどれもがとても思い出深いものですが、
個人的には、やはり震災直後のシャンデリアが揺れた、
まだ余震のある中で行われた昨年の公演が強く印象に残っています。
ホールそのものは「奏楽堂は明治23年に建てられ、文字通り
我が国における唯一の音楽専用ホールとして、昭和の初期に至るまでは、
ヨーロッパのあらゆる種類の音楽が、ここのステージで演奏されていた」
(芥川也寸志著「ぷれりゅうど」筑摩書房刊)とあるように
大変由緒あるものですし、それがなお現役として活用されていることに
とても大きな感銘をもって毎回利用させて頂いておりました。
今回のことは「休止」と受け止めていますが、より逞しくなって堂々と
再建され、いつの日かまたこの会場で演奏ができることを
楽しみにしています。正面の門柱にある「旧東京音楽学校奏楽堂」の札、
そして門を入ったところにある「永遠」の碑が
消えることがありませんように。


yatchan2003

Author:yatchan2003
2003年から活動開始。
音楽への想いを伝えたい!
お客さまと共に楽しみたい♪
をモットーに進化中。