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2012 / 12
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zerukinn
【SONY SK93438】
バッハ作品集 
ゴルトベルク変奏曲 BWV989からアリア,イタリア協奏曲 BWV971,
半音階的幻想曲とフーガ BWV903a,カプリッチョ BWV992 
ブランデンブルク協奏曲第5番
ルドルフ・ゼルキン(ピアノ)

「ライヴ・イマジン24」で採りあげるカプリッチョ「最愛の兄の旅立ちに
寄せて」は、バッハがまだ20歳になる前に作曲されたとされている曲です。
バッハの標題音楽というのはとても珍しく、チェンバリストの
レオンハルトの録音などは曲を始める前に、なかなかいい声で
「旅を思いとどめようとする友人たちの心からの言葉」などと気取ってから
おもむろに弾き始めたりしています。美しいアリアからはじまって
嘆きのモチーフなども出て来て、最後はフーガで締めるという短いながらも
味わい深い作品です。実際にお兄さんのヨハン・ヤコブがスウェーデンへ
旅立つ際に書かれたものとされています。さて、ルドルフ・ゼルキンは
この曲をとても大切にしていたようで、たびたびコンサートのプログラムに
登場します。そしてなんと優しく、心のこもった演奏でしょう!
もう二度と会えないかもしれない若きヨハン・セバスチャンの兄へよせる
想いがピアノの音からこぼれました。常々ルドルフ・ゼルキンの音楽に
対する真摯な姿勢には頭が下がる思いをしていますが、シェーンベルクの
グループに属したこともあり、戦前には謹厳なアドルフ・ブッシュとの
デュオ、そしてカザルスとの接点、さらにマールボロ音楽祭の音楽監督
という経歴はそのまま彼の音楽表現の裏付けとなっているようです。
ケンプと同じようにゼルキン以上のメカニックを備えた人は
たくさんいます。でもゼルキン以上に音楽を語り、
音楽を伝えてくれる人はほとんどいません。



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ガンバソナタ
【ORFEO C693 071 A】
J.S.バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ 第1番 ト長調 BWV1027
J.S.バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ 第2番 ニ長調 BWV1028
J.S.バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ 第3番 ト短調 BWV1029
C.P.E.バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのソナタ ニ長調 H559
ダニエル・ミュラー=ショット(チェロ)
アンジェラ・ヒューイット(ピアノ)

バッハのガンバ・ソナタは次のライヴ・イマジン24の出し物の一つです。
第一番がそうですが、このCDの演奏も、チェロとピアノでやっています。
ガンバとチェンバロで演奏したものもたくさん出ているなかでは
チェロとピアノの演奏はマイナーな存在です。ただここでヒューイットは
ピアノでバッハを弾く第一人者、ミュラー=ショットはこの世代では
最右翼のチェリスト、現代の名手ふたりということであれば、
許される行為なのかもしれません。
チェロとピアノで探してみましたが、ほかにはアルゲリッチのピアノと
マイスキーのチェロ、アンドラーシュ・シフのピアノでペレーニのチェロ、
新しいところではシュタットフェルトのピアノとヤン・フォグラーのチェロ
くらいしかないようです。ガンバ・ソナタは同じバッハのソナタでも
フルート・ソナタやヴァイオリン・ソナタと違い、ガンバと通奏低音
という構造ではありません。あくまでもピアノは2声を担当して、
チェロの一つを加えて3つの声部のソナタというつくりになっています。
和音の移ろいを低音部が支えるわけではないので、ピアノパートも
それだけで独立できるほどしっかり書かれています。
練習では左手とチェロまたは右手とチェロでやってみる、
など通常とは異なる方法をとらなければうまくいきません。
ところでこのCDの演奏は真正面から勝負するチェロと、強弱のニュアンスも
豊かにつけて呼応するピアノといった風情で、ちょっとチェロとピアノの
方向性に違いがあるように感じましたが、アゴーギクやルバートは
参考になりそうなところがたくさんありました。

シャコンヌ修正版1128
「ライヴ・イマジン24」
2013年1月5日(土) 13時30分開場 14時開演
すみだトリフォニー 小ホール

新春早々の公演は、初のオール・バッハ・プログラムで。
気持ちも新たに姿勢を糺してスタートします。
カプリッチョ「最愛の兄の旅立ちに寄せて」
ガンバ・ソナタ 第1番 ト長調
フルートソナタ ホ短調
無伴奏ヴァイオリンパルティータ 第2番 ニ短調より「シャコンヌ」
「音楽の捧げもの」より「トリオソナタ」

入場料:無料(要整理券)  未就学児童の入場はご遠慮下さい。
入場整理券をご希望の方は、下記の問合せ先アドレスに
お名前 ご住所 電話番号 年齢 職業 コメントを添えて
「ライヴ・イマジン音楽記を見て整理券希望」とご記入下さい。
現在上記の葉書(入場整理券)を制作中の為、12月上旬に発送します。
お問い合わせ  liveimagine@yahoo.co.jp

dobyussi-
【Indesens INDE040】
ドビュッシー 室内楽曲集
ヴァンサン・リュカ(フルート)
フィリップ・ベルロー(クラリネット)
エリック・オービエ(トランペット)
ニコラ・プロスト(サクソフォン)
ルートヴィヒ・クヴァント(チェロ)
マリー=ピエール・ラングラメ(ハープ)

ドビュッシー・イヤーの今年、とても面白いCDが出ました。
ベルリン・フィルハーモニーのメンバーを中心にして構成された
室内楽曲集で、ピアノではなく、ハープを使った「チェロ・ソナタ」や
ほかに無伴奏トランペットの「シランクス」がはいっていて
とても新鮮な感じがしました。共通しているのはドビュッシー独特の
和声に支えられた色彩の世界です。ベルリン・フィルハーモニーの
メンバーを中心とした演奏の水準はどれもがとても高いものがあります。
フルートのリュカはいつもパユばかりが目立ってしまう裏で、
こんな名手がいたんだと納得。そのフルートとピアノによる
「牧神の午後への前奏曲」はため息の出るような演奏を繰り広げます。
そのあとのクラリネットによる「ラプソディー」の始まりの優しい音色は
フルートの低音?と間違うほどメローで、マイルド。あえてピアノを
使わなかったチェロ・ソナタも、ハープのハーモニーを基調にした響きが
とてもマッチしていて何やらおどろおどろしい世界が柔らかい光に
照らされたパステルカラーのような曲調にかわりました。
ドビュッシーの音楽を演奏するには共感するポイントを見出すだけでも
大変ですが、聴く側にとってみるならコブシを振り上げたりむせび泣いたり、
おおげさな感情の起伏を伴わない、響きをそのままを受け入れる
ってことでしょうか。風の音、虫の声に耳を澄ます日本人の
自然に対する繊細な感覚にとても近いものがあります。


美しき水車屋の娘
【DECCA 443 933 2 】
ピーター・ピアーズ(テノール)
ベンジャミン・ブリテン(ピアノ)

「詩人の恋」の最初のイントロがどんなふうに始められるのだろうか?
ワクワクしながらブリテンのピアノの出を待ちました。
そこには甘いささやきなんかはとんでもない、とてもはっきりとした
現実的な響きがありました。歌曲伴奏とはいえ、終始主導権を握る
ピアノの後には少しクールで軽く流れすぎる印象のピアーズの歌が
続いています。ドイツ語の響きもそれらしくなく、美しくはあっても
シューマンの複雑な世界は描き切れていない感じで、
たとえばボストリッジが描き出す、濃い陰影はここにはありません。
シューベルトになると、やはりここはブリテンの作曲家への共感度が
違うせいもあるのか、よりドラマチックな性格がはっきりと
前面に出てきています。ただやはりブリテンのピアノのうえに漂う
ピアーズの歌という印象は軽く、よりピアノの主導権は強められました。
ブリテンは歌とともに絶妙なニュアンスを紡ぎだす、
ジェラルド・ムーアやジュリアス・ドレイクのようなピアノとはちがって
非常にきびしい世界をフレージングに託しています。
この姿勢はシューマンだろうがシューベルトだろうが変わることがなく、
これが「音楽」に対するブリテンの見識なのでしょう。



yatchan2003

Author:yatchan2003
2003年から活動開始。
音楽への想いを伝えたい!
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