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2013 / 04
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シノーポリ
【DG 419 169-2】
ワーグナー・管弦楽曲集
ジュセペ・シノポリ指揮 ニューヨーク・フィルハーモニック

すでに死去してから10年以上たつ指揮者ですが、マーラーの交響曲全集など
遺された録音は一時代を築いた人として高い評価をそのまま持ち続けて
いるようです。中古店で偶然見つけたこのCDはニューヨークフィルとの
もので1985年の録音とあるので、まだ39歳の時、10年以上にわたる
フィルハーモニア管弦楽団の首席指揮者に迎えられて1年足らずのものです。
曲目には「マイスタージンガー」「さまよえるオランダ人」
「ローエングリン」そして「ジークフリートの牧歌」と超有名曲が
ずらりと並びます。シノポリはオペラを得意として、ワーグナーも
自家薬篭中のものとしているだけに、期待に胸が鳴りました。
肝心の演奏ですが、このなかでは「オランダ人」の序曲がとても素敵です。
これほどすっきりと、そしてドラマそのものを垣間見るように
演奏されたものは初めて聴きました。ニューヨークフィルの腕前は
ウィーンやベルリンに比べるまでもないのですが、オランダ人のテーマの
うねりなんかもとても見事です。しかしやはりこのオケの限界でしょうか、
ドイツ的な響きを引き出しているシノポリの手腕はみごとでも表現力に
不満が残ってしまいました。響きも薄く先に触れた、レヴァインの
「ジークフリート牧歌」にある、ベルリンのスターたちによる隙のない演奏に
数枚落ちてしまうのはやむを得ないことなのでしょうか。


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ドボP5
【SONY 88725479482】
ドヴォルザーク
ピアノ五重奏曲第2番イ長調 Op.81
弦楽四重奏曲第12番ヘ長調 Op.96『アメリカ』
 テオ・ゲオルギュー(ピアノ:1) カルミナ四重奏団

ドヴォルザークのピアノ五重奏曲第2番は、このジャンルでは
とても人気のあるものです。アマチュア奏者の集まりの場でも盛んに
採りあげられるのにはやはり理由があって、親しみやすいメロディーが
各奏者に惜しみなく振り分けられ、演奏難度がそれほど高くない、
盛り上がりもあって熱くなれる、などなど、この逆を行くシェーンベルク
などはほとんど見向きもされないのに。さて、ここのゲオルギューという
有名な歌手と同じ姓を名乗るピアニスト君はチューリッヒに生まれ、
まだ20歳ながらフランツ・リスト国際コンクールの覇者ということで
食指が動きました。天才少年の苦悩を描いた「僕のピアノコンチェルト」に
主演し、東京交響楽団にもソリストとして登場しているとか言うので、
期待に胸が膨らみましたがさてどうでしょう・・・
残念ながらこのカルミナ四重奏団という同じスイスのベテランカルテット
との組み合わせからは熱い化学反応は生まれませんでした。ふんだんに
表現できる題材だけに、フラストレーションが起きてしまいました。
先のグロヴナーにあって、テオにはないもののことです。
カルミナ四重奏団にしても遠慮があったのか後半の「アメリカ」のほうが
のびのびと彼らの音楽をやっている感じ。ピアニストの世界は次から次へと
素晴らしい才能が芽生えてきてただ弾けるだけではほとんど相手にも
してもらえない、こんな厳しい世界がほかにあるだろうか
と改めて思いました。

ブリュッヘン
ブリュッヘン・プロジェクト《18世紀オーケストラ&新日本フィル》
第2回4月5日 18世紀オーケストラ 指揮 フランス・ブリュッヘン
ピアノ独奏 ユリアンナ・アヴデーエワ 
モーツァルト 交響曲第40番  ショパン ピアノ協奏曲第1番、第2番

「ブリュッヘン、18世紀オーケストラとの最後の日本へ」
というタイトルと2010年ショパンコンクールの覇者
ユリアンナ・アヴデーエワの独奏に惹かれて足を運びました。
ほぼ満席の大ホールでは、期待と熱気であふれていました。
舞台には客席に正面を向いて指揮者と向かい合う形で置かれた
木目も美しいヒストリカルピアノ(1837年製パリ製エラール)、
それを取り囲むように古楽器の奏者が配置(コントラバスが左!)され、
ピアノとオーケストラの音がよく溶け合います。
車椅子で登場したブリュッヘンは、指揮台への移動にも危なかしい様子
でしたが、ひとたび音楽が始まれば、魔法使いのように艶やかな響きを
紡ぎ出します。古楽独特の低い調弦でのモーツァルトの40番は
特にとがった表現があるわけではないようでしたが、
当時はこんな演奏だったのかと思いを馳せました。
次にパンツスーツで颯爽と現れたアヴデーエワ。まだ27歳、
年齢から言えばブリュッヘンの孫世代でしょうか。完璧な技巧、
豊かな表現力でエラールのピアノの魅力を十二分に引き出していました。
そしてそこにはヒストリカル・ピアノと最上級のピリオドオーケストラとの
素晴らしい融合がありました。ナショナル・エディションによる演奏
とのことでしたが、アヴデーエワのピアノはフレージングを大切にし、
楽譜に書いてあることをとことん掘り下げたもので、見事なテクニックが
その表現をしっかりと支える、現実的な演奏です。そしてブリュッヘン。
こんな見事なショパンのオーケストラ演奏は聴いたことがありません。
ベートーヴェンにつづくものとしてではなく、ブラームスを予感させる
音楽になっていました。
すみだトリフォニーの大ホールでの演奏会を聴くのは初めてでしたが、
何よりこの-ホールの音響の良さは特筆すべきものがあります。
長すぎず、短すぎずの美しい余韻。始まる前から何かが起きるぞ
という予感がしましたが、アンコールのノクターンとマズルカまで
大満足の一夜でした。



yatchan2003

Author:yatchan2003
2003年から活動開始。
音楽への想いを伝えたい!
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