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2013 / 05
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ジルベルシュタイン
【DG 427 766-2】
リーリャ・ジルベルシテイン(ピアノ)

これがジルベルシテインのデビュー盤です。
ある時期DGがバックアップして売り出しましたが、アルゲリッチの
ルガーノ・フェスティバルでの出演くらいでその後あまりその活動は
きこえてきません。昨年の四月に、すみだトリフォニーホールで
「ロシア・ピアニズムの継承者たち」の企画があり、その中の一人として
コンチェルトとソロを披露したようですが、たまたま練習室から
漏れ聞こえてきたチャイコフスキーのコンチェルトの迫力に耳が釘づけに
なってしまいました。ロシアン・ピアニズムという言葉からは完璧な技巧が
まず想像できますが、キーシン等を生んだグネーシン音楽学校出身の
彼女の場合もぴったりとあてはまります。しかしながらいくら伝統的な
教育がベースにあるとはいえ、教育が作れるのは秀才まで。
ロシアに天才がたくさん生まれるわけでは決してありません。
その秀才の一人がジルベルシテインです。ラフマニノフには
まだむせ返るような情緒の表現が足りなく、見事な技巧は人を驚かしても、
感動まではどうしてもできないようです。それに対し、むしろ技巧的でもあり
なおかつ、もっとドライな表現を要求されているショスタコビッチのソナタは
さすがのさすが。それにしてもピアノ弾きの競争の激しさは底がしれません。
くわばらくわばら。


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今回のライヴ・イマジン25は、初めての台東区ミレニアムホールでした。
合羽橋道具街はずれにあり、浅草寺の近くです。
奇しくも、当日は三社祭の最終日。
朝からいつもと違った熱気が街中に漂います。
会場の台東区生涯学習センター前にも揃いの法被を着た人たちが沢山。
3日間で150万人の人出がある一大イベントとは前日まで知りませんでした。
縮小三社祭1縮小三社祭2
縮小三社祭3
縮小三社祭4
お客様が交通規制もある大混雑の中を無事に会場にたどり着けるのだろうか?!
という心配をよそに、開場の30分前から行列が出来て、
急遽、開場時間を繰り上げる、という嬉しい不測の事態となりました。


まずは幹事からの開演のご挨拶。
縮小あいさつ


そして最初の曲はバルトークの「ルーマニア民俗舞曲」をピアノソロで。
民俗的エッセンスの詰まった彩り豊かな小品で、ヴァイオリンとピアノ、
弦楽合奏、オーケストラなど様々な形に編曲され親しまれているものです。
縮小ルーマニア


続いてバルトークの弦楽四重奏曲第1番。
作曲者が沢山の要素をぎっしり詰めこんだプロでも躊躇する超難曲。
個々の練習はもとより合奏練習を重ね、レッスンを受けて
チャレンジ精神を支えにようやく本番に持ち込んだ渾身の演奏でした。
縮小バルトーク
めまぐるしく変わるテンポとリズム、耳に馴染みのない音程の連続が
かもし出す緊張感にお客様も戸惑いながらも、演奏者の気合に
引き込まれていきました。




バルトークの後の休憩でほっと一息、
後半はブラームスの「ピアノ五重奏曲」です。
縮小ブラームス
縮小ブラームス2
数あるピアノ五重奏曲の中でも最高峰と言われる中身の濃い大曲。
技術的にも難しく長年温めた末での選曲でした。
木製の壁に囲まれた残響の長いホールにブラームス独特の重い低音、
甘く美しい旋律、厚みのある和音が響きます。丁々発止の
隙のない展開もあり、最後まで息もつけないほどの熱演に
会場全体が酔いました。盛んな拍手にホッとして皆が我に返るようでした。
縮小拍手


アンコールは、モーツァルトの「ピアノ協奏曲第12番より第2楽章」
ゆったりとしたテンポで伸びやかに美しい旋律は、天に昇るような心地よさ。
モーツアルトならでは、です。
縮小アンコール


終演後には、お客様をお見送りしながらご挨拶を。
顔馴染みの方々とは時には記念撮影・・楽しいひとときです。
演奏者の関係者より毎回ご来場下さる常連の方々が大多数を占めるのは、
ライヴ・イマジンの財産です。この重いプログラムにもかかわらず
足を運んで下さったお客様に励まされる思いで、感謝の気持ちもひとしおです。
縮小集合


次回 「ライヴ・イマジン26 無礼講」は
8月3日(土)ティアラこうとう大会議室 にて。

無礼講というタイトル通り、ライヴ・イマジン・オール・スターズが
得意の曲を持ち寄り、楽しいひと時をお贈りします。

モーツァルト「フルート四重奏曲イ長調」
ドボナーニ「弦楽三重奏曲」
ワーグナー「ヴェーゼンドンク歌曲集」
モーツァルト「ケーゲルシュタット・トリオ」
シューマン「弦楽四重奏曲 第1番」


どうぞお楽しみに!

ピリス
【DG 437 538-2】
マリア・ジョアン・ピレシュ(ピアノ

シューマンです。この人のファンはとても多いようですが、私には少し
ピンとこないところもあります。もちろん一流のピアニストであることと、
数少ない一線で活躍している女流の音楽家であることを認めた上での
話ですが、現代的な枠にはまりすぎていて、その中で勝負しようと
しすぎるため、ルバートや間の取り方にも限界を感じてしまいます。
同時にペダリングが多いため全体的にかちっとしたタッチで音像を
描き切れないもどかしさも。しかしショパンに比べると、音楽そのものの
枠組みが複雑ながらしっかりしているシューマンのほうに適性があります。
このなかではあっさり弾いた「森の情景」よりも「3つのロマンス」のほうが
起伏もあり聴きごたえがします。反面「ウィーンの謝肉祭の道化」は
少し推進力、迫力に欠けるようにきこえます。辛口になりましたが、
体力的に恵まれていない女性が男性と同じ土俵に上がって音楽の世界で
生きていくことは、本当に大変なことです。同じ才能だったら、まちがいなく
そのハンディで負けてしまいますから。

モーツァルト比較
【ORFEO C7120621】
7人のピアニストによるモーツァルト・ソナタ集

クラウディオ・アラウ、クララ・ハスキル、グレン・グールド、
シューラ・チェルカスキー、ウィルヘルム・バックハウス、
エミール・ギレリス、クリフォード・カーゾン。
皆、鬼籍にはいっていますが、私たちと同じ時代を生きたピアニストたちです。
彼らがザルツブルク音楽祭で遺した足跡が思わぬ形で聴き比べを提供して
くれました。アラウとギレリスによるK310、イ短調ソナタがそのひとつです。
失意のパリ、そこで母を亡くしたモーツァルトが書いた哀しみの音楽。
海老澤敏さんの「モーツァルトの肖像」から引用すると「(母が亡くなった)
そのことを親友のブリンガー神父には洗いざらいの真実を、
実の父と姉には真っ赤な偽りの手紙を。やがて父は息子から
このイ短調ソナタの楽譜を渡されたとき、この作品が愛する妻への、
愛する息子によるレクィエムであったとすぐさま了解した。」
アラウの演奏はとてもテンポが速く、ペダルを多用し、なにかをやろう
アゴーギクを使えば使うほど、涙をぬぐう暇もなくモーツァルトは
逃げてしまいました。ギレリスは落ち着いたテンポでこの曲のあるべき姿を
そのまま伝えてくれます。第三楽章の長調への転調による在りし日の回想も
美しく彫塑されています。でもやはり何かを企てたとたんに、
またしてもモーツァルトは逃げ出しました。
大切にしなければならない曲なのに・・。



yatchan2003

Author:yatchan2003
2003年から活動開始。
音楽への想いを伝えたい!
お客さまと共に楽しみたい♪
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