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2013 / 07
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コルトーのシューマン
【Biddulph LHW004】
アルフレッド・コルトー(ピアノ)
アルフレッド・ティボー(ヴァイオリン) パブロ・カザルス(チェロ)

イギリスのビダルフから1920年代のコルトーのシューマンが
復刻されています。まず、ジャケット画は有名なシューマンの肖像ですが、
どこか病的な面が強調されているようであまり好みではありませんね。
曲目は「カーニヴァル」、交響練習曲」それにカザルス・トリオでの
トリオ第一番です。肝心の復刻の音の特徴はSPレコード特有の
サーフェス・ノイズを除去しすぎないようにしたもので、
ノイズはあるもののピアノのタッチはとてもクリアに聴こえてきます。
そのおかげもあってかコルトーの特質がシューマンに
一番合っているのではないかとさえ思わせる、見事なルバートが
ぴったりと決まります。このころはまだ技術上の破たんも少なく、
「カーニヴァル」はルービンシュタインの有名な録音と双璧ともいうべき
絶妙のニュアンスを楽しめる演奏です。最初は多少慎重になっていますが、
終局に向かいどんどんのってきて、まるでミューズが舞い降りたように。
カザルス・トリオについても、まず、なんといっても気品あふれる
ティボーのヴァイオリンに魅せられますが、一流のものには
必ずといっても漂う潔い緊張感に一気に引き込まれてしまいました。


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ハフ・タカーチのブラームス P5
【Hyperion CDA67551】
ブラームス・ピアノ五重奏曲 ヘ短調 Op.34、弦楽四重奏曲 Op.51-2
スティーヴン・ハフ(ピアノ) タカーチ・カルテット

ライヴ・イマジン25ではブラームスのピアノ五重奏曲をメインに
採りあげました。この録音は一緒に演奏するメンバーに聴くならこれを、
と推薦したものでした。このジャンルのなかでは、ブラームス唯一の作品
ですがその規模の大きさ、内容の深さは群を抜いている作品です。
先に作曲された2台のピアノのためのソナタを編曲したものですが、
同じ色合いのピアノにくらべ数段魅力的なものに仕上がっています。
当然のことながら、多くの録音が遺されており、ゼルキン/ブダペスト・
カルテット、ルービンシュタイン/ガルネリ・カルテット、ポリーニ!
(唯一の室内楽録音です)/イタリア・カルテットといった
大ピアニストたちと当時最高のカルテットが腕を競います。
それに現代最高のピアニストの一人が加わりました。
スティーヴン・ハフです。彼の名前はけっして派手ではありませんが、
有名なベートーヴェンの全集を録音しているタカーチ・カルテットと
組んだこの録音は、その音の良さまでを加味するなら最高のものです。
ハフのピアノは輝かしく、核心に迫り、注意を引き、煽り、
タカーチはそれに即座に反応してさらなる頂点を目ざします。
スリリングで心地よい緊張感を伴って「長い」とされる作品を一気に
聴かせてくれました。ブラームスの和音のひとつひとつが濁ることない
見事なペダリング技術。現代的な、恐ろしいほどの完成度をもった演奏です。
ハイペリオンというイギリスの小さなレーベルからは目が離せません。


ロルティ
【Chandos CHAN8482 】
ルイ・ロルティ(ピアノ)

ショパンのエチュードといえばポリーニ、ほとんど伝説のとなっていた録音に、
思い起こせば、まだ右も左もなくハマっていた私でしたが、ちょっと重苦しさ、
聴きつかれてしまうような感じも同時にありました。
ロルティの弾く同じエチュードにしなやかさ、ダイナミズム
そして自然な息吹を聴くと、ああやっぱりそうだったんだと思わせるものが
あります。ロルティはカナダ、モントリオールの出身ということですが、
ブゾーニ・コンクールの覇者でもあり、日本でももっと知られて
おかしくない存在です。EMIや黄色いレーベルに属さなきゃ第一級の
ソリストとしてまともに評価されないようではいけません。
で、ロルティ、技術の冴えはもちろんのこと、それが音楽に奉仕している
ためか、技巧派という印象がありません。むしろ自然に音楽が語る、
このことが大切ですが、曲に忠実であり、正確に、そひて発想豊かに
弾いている姿勢には強く共感できるものがあります。
ファッツイオーリのピアノを愛しているとのことですが、
このゴージャスなピアノで是非一度、生で聴いてみたい一人です。


メニューイン
【Biddulph LAB 067】
ザ・ヤング・メニューイン
ユーディ・メニューイン(ヴァイオリン)
ヘフツィバー・メニューイン(ピアノ)

イギリスで、楽器商を営んでいるピーター・ビダルフさんの復刻した
CDの一枚です。メニューインは昔の音楽ファンならきっと耳にしている
ヴァイオリンの神童でした。後年、もう足元もおぼつかなくなってから
N響のソリストに立った時にはこれが?と楽員が訝しんだというエピソードも
残っていますが、若いときにはそれはもう飛ぶ鳥落とす勢いだったようです。
ただ、政治的な言動が災いして、アメリカを追われたり、戦争の爪痕は
演奏家としてのピークを迎えようとしていたメニューインの上にも
影を落としました。1938年録音のシューベルトの「華麗なるロンド」
Op.70は音楽への没頭がものすごく、まるで何かが乗り移ったかのように
弾きまくります。少し緊張感のある音のうえに甘美な表情があって、
さすがに超一流の音楽家のみがもつ素質をしっかりと体現しています。
この録音は22歳の時のものですが、聴くなら若いときの復刻、
これが彼の本当の姿を伝えてくれていると確信しました。

シフラ
【東芝EMI HS-2088】
ジョルジュ・シフラ(ピアノ)

リストとなるとシフラ、シフラはリスト、というくらい
相性がピッタリな感じがします。何よりいわゆる超絶技巧とは
この人のためにあるに違いありません。このCDはリストの有名曲が
ずらりと並びますが、リストの魅力にはまってしまいます。
残念ながら録音ではその吠えるような、重低音のfffは
捕まえ切れていません。しかしです、この切れ味にはほとんどしびれて
しまいそうな魅力があります。そして音楽そのものが息づき、せつないほどの
ppにはセクシーさすら感じます。ラ・カンパネラの名演奏は先に
ホフマンのものを書きましたが、ホフマンの青白い炎が音に乗り移るような
表現に比べると、シフラのものは技術が人の手の中にある温かさが
付加されています。この中では「リゴレット」のパラフレーズや
「ファウスト」からのワルツは大好きな曲ですし、リストの編曲による名曲は
他にもたくさんあります。ピアニストにとってはリストというアルプスは
避けられないものですが、技術のない人が弾くとあまりにも惨めな結果が
待っています。いつかイマジンでも披露する機会が巡って来るかしら?




yatchan2003

Author:yatchan2003
2003年から活動開始。
音楽への想いを伝えたい!
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