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2013 / 08
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ブーニン
【DG 427 315-2】
シューマン 子供の情景、アラベスク、ほか
スタニスラフ・ブーニン(ピアノ)

ブーニンが1985年のショパン・コンクールを19歳で制覇してから、
もう25年以上が経ちました。今でも超高速「子犬のワルツ」は
あまりにも衝撃的だったせいもあってしっかり覚えています。
その時のブーニンフィーバーのものすごさはクラシック音楽という枠を
超えたものでした。マスコミをも味方に付け、あまりにも正統すぎる
経歴を前にして、少々の批判、批評なんかは焼け石に水みたいなもの。
このサラブレッドの血筋を辿ってみるとリヒテル、ギレリスを育てた
ゲンリッヒ・ネイガウスを祖父に持ち、モスクワ音楽院入学前に(!)
ロン・ティボーコンクールで優勝しています。その後日本での特別待遇に
心が動いたのか、結婚して日本に在住しているらしいです。
さて、シューマン。優勝してからわずか3年後に録音されたもので、
期待の高かったものです。しかし残念ながらこの演奏からは作品への
共感は残念ながら聴き取ることができませんでした。
場違いで畳み込むような表現、突然のアッチェレランド、流れを
断ち切るようなブレスなどあげていくときりがありません。
奥尻島を襲った大津波のあと、現地にピアノを持ち込んで慰問をし、
そのピアノを寄付したとか、昨年の震災の後にも、自分にできること、
しなければならないことを実行する姿勢には頭が下がりました。
しかしそれは本来の意味を見失っては何にもならないことです。
ショパン・コンクールの時の圧倒的な輝きを今一度、と思っているのは
私だけではないはずです。


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ギーゼキングのバッハ
【Music&Arts CD-1070】
未出版音源集
ワルター・ギーゼキング(ピアノ)

バッハをピアノで弾くという行為は、古楽器によるアプローチがほとんど
標準的なものとして市民権を得た現在でさえも、多くのピアニストによる
挑戦が続いています。かつて、アンドラーシュ・シフは古楽器陣営からの
執拗な攻撃にさらされたときにモダンピアノでバッハを弾いて何が悪い、
と必死に抵抗を続けていましたが、最近は一般化され優位にたった
古楽器陣営の「ねばならぬ」式の表現もやわらいでいるようです。
私はピアノしか弾かないし、本来この曲はチェンバロで弾か「ねばならぬ」
と言われても、知識もないし物理的にできないものはできません。
高踏的な態度は庶民的な感覚からますます乖離してしまい、
バッハの楽しみを私たちから奪ってしまうだけのような気もします。
見渡してみてもマイ・チェンバロをもっている人は周りには
一人もいません。ギーゼキングのこのバッハは1947年から9年にかけて
放送のために行われた演奏の記録です。ライヴのギーゼキングの燃焼度の
高さはすごいものがありますが、この録音からもやはりスタジオとは
一味違うトランス状態にあるのが感じられます。パルティータの軽妙洒脱、
イギリス組曲の緊張感に、迫ってくる音楽そのものの力に圧倒されました。
古楽器を使えばバッハの精神を伝えられるのではなく、結局道具が
なんであれ、バッハの偉大さを伝えられるのは演奏家の能力であって、
ギーゼキングのような超一流の音楽家のみに許される行為であることを
改めて感じました。


暑さ厳しい8月最初の土曜日、「ライヴ・イマジン26」は、
10周年を記念してティアラこうとう「大会議室」にて行われました。
会場後方には、第1回公演から今回までの公演案内が掲示されました。

ライヴ・イマジン26-1ライヴ・イマジン26-2   ライヴ・イマジン26-3ライヴ・イマジン26-4

今回は、会議室ということで舞台の無い広いスペースに整然と椅子が並びます。
ライヴ・イマジン26-5
朝から着々とリハーサルが始まります。
ライヴ・イマジン26-6  ライヴ・イマジン26-8

今回は、いつもより早めにもかかわらず、開場時間の30分以上前から
次々とお客様が到着し、会場を待つ列が出来ました。そして開場と同時に
小走りに入場されるお客様方で最前列から席が埋まっていきます。
ライヴ・イマジン26-開場後の様子2
スタッフも10年間お手伝い下さっている方々ばかりですから、
次々と来場されるお客様にも受付で手際よくご案内します。
ライヴ・イマジン26-11
いよいよ開演です。

最初は、モーツァルト作曲フルート四重奏曲イ長調
マンハイムで作曲された有名なニ長調の曲の11年後に
ウィーンで当時流行していた歌を主題として出来ている軽やかな曲は、
公演のスタートにふさわしい爽やかな雰囲気です。
この日の為にメンバーは、青いシャツで揃えました。
演奏前にご挨拶を兼ねての一言スピーチも。
ライヴ・イマジン26-13  ライヴ・イマジン26-14

続いて同じ弦楽器のメンバーでドホナーニ作曲 弦楽三重奏曲。
ハンガリーの指揮者クリストフ・フォン・ドホナーニの祖父にあたります。
セレナードという副題は、ベートーヴェンの同名の作品Op.8を継ぐ作品
であるとともにハンガリーの豊かな民族性が豊かに花開いた傑作です。
ライヴ・イマジン26-15  ライヴ・イマジン26-16
マジャール風の5つの楽章は変化に富み、躍動感あふれる展開で
一気に全曲を聞かせます。



そして次の曲目は、ワーグナー作曲 ヴェーゼンドンク歌曲集。
ワーグナーの庇護者オットー・ヴェーゼンドンクの妻であったマティルデ
の詩に陶酔的で深い響きの曲をつけたもの。彼女はワーグナーにとって
霊感を与えるミューズでもあり不倫の関係でもありました。
ライヴ・イマジン26-18  ライヴ・イマジン26追加ーヴェーゼンドンク2
歌の方が公演に登場するのは久しぶりです。しかも、なかなか聴ける機会
の無いワーグナーの歌曲、美しく情感のこもった歌声に魅了されました。


続いてワーグナー作曲 楽劇「トリスタンとイゾルデ」より「愛の死」。
先のヴェーゼンドンク歌曲集から芽生えた音楽思考の終着点であり
「ただ死によってのみ、苦しみから解放される」というロマン主義思考の
具現化でもあります。リストが編曲したピアノ独奏版は、複雑な旋律線と
トレモロやアルペジオを駆使した難曲です。
ライヴ・イマジン26-21  ライヴ・イマジン26-22
ダイナミックで鮮やかな演奏に会場は、熱い溜息と共に夢から覚めたように
拍手喝采でした。

休憩の後は、モーツァルト作曲 ケーゲルシュタット・トリオ
曲名は、ボーリングの前身といわれるスキットルを行う場所のことで
出版社につけられた名称といわれています。クラリネット、ヴィオラ、
ピアノという珍しい編成の曲。同時期にハイドンセットやプラハ、
フィガロの結婚などを作曲している充実した30歳の時のもので
絶妙な転調が盛り込まれた名曲です。
ライヴ・イマジン26-23  ライヴ・イマジン26-24
中音域の落ち着いた音色で奏でる音楽は、明るい中にも
どこかホッとするような温かみがあり、モーツァルトの素晴らしさを
改めて実感する思いでした。


そして公演の最後の曲目は、シューマン作曲 弦楽四重奏曲 第1番。
ピアノ入り室内楽ほど演奏される機会が多くはないものの、内面的な
ロマンティシズムが溢れる名曲です。すっきりとした構成で明快な音楽と
なっていて、聴き易くかつ親しみ易いものです。
ライヴ・イマジン26-26  ライヴ・イマジン26-27
繊細なリズム、微妙に色合いが変わる和声に彩られて、息の合った演奏に
お客様から「大人の雰囲気」という感想も頂きました。





閉演のご挨拶。
ライヴ・イマジン26-30
出口でお客様をお見送りします。
今回は120名のお客様がご来場下さいました。
演奏が終わってホッとした気持ちでお客様とお話が出来るひと時は、
何より楽しいものです。友人知人や家族など関係者ではない方々が
お客様の大半であり、毎回のように足を運んでくださることが
ライヴ・イマジンの財産であり誇りです。
ライヴ・イマジン26-31

今までのご案内を見て、「この回からずっと通っている」と懐かしく
思い出された方々のお話も伺いました。
拡大ポスター一覧

これからも、一歩ずつ頑張っていきたいと思っています。
どぞよろしくお願いします。
拡大集合写真 

集合写真に入りそびれたヴィオラの吉水さんを特別枠で。
34-吉水さん

次回の「ライヴ・イマジン27」は、
2014年1月25日(土) すみだトリフォニー 小ホール にて
ベートーヴェン作曲 ピアノ協奏曲 第5番「皇帝」
シューベルト作曲 弦楽五重奏曲 ハ長調で予定しております。
どうぞお楽しみに。

yatchan2003

Author:yatchan2003
2003年から活動開始。
音楽への想いを伝えたい!
お客さまと共に楽しみたい♪
をモットーに進化中。