FC2ブログ
2014 / 06
≪ 2014 / 05 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 - - - - - 2014 / 07 ≫

ロゼ
【ARBEITER 148】
ウィーンのファースト・ヴァイオリン
アルノルト・ロゼ(ヴァイオリン)

歴史的録音です。
ロゼは50年以上にもわたってウィーン・フィルハーモニーの
コンサートマスターを務めた人で、ブラームス、ブルックナー、マーラーや
リヒャルト・シュトラウスの下で演奏を行いました。
実際に19世紀ウィーンスタイルの最後の栄光を担ったとされています。
というのもこのスタイルは12歳年下のクライスラーには
受け継がれることのなかったものとか。
ヴァイオリンの歴史のことはよくわからないのですが、
1909年(!)の録音から聴こえてくるのは連綿と歌う
ヴァイオリンの妙技です。ツィゴイネルワイゼンを一つ例にとると
ヴィヴラート、ポルタメントを自在に操りながら
はっとするようなキレのある技巧を披露します。
速いところはもっと早く、歌うところはよりたっぷりと。
これにアゴーギクを自在に操るのでたまりません。
ショパンの第一ピアノ協奏曲からもロマンスを演奏していますが、
さすがにこれはピアノのための旋律です。
ところで古楽では弦楽器にヴィヴラートをかけないとききました。
いつからそうなったのでしょう?ものの本には、ロゼのものは
抑制されていた、とありましたが、100年前のこの演奏でも
曲によっては十分にかけているものもあり、よくわからなくなります。
何でも同じようにかける、というのではなくて
必要なところにかけるということなのかもしれません。
ロゼの奥様はマーラーの妹さんですが、この録音を聴いていると
その時代に生きていたマーラーがとても身近に感じられます。




スポンサーサイト

音楽三昧

フルート、リコーダー 菊池香苗   ヴァイオリン 川原千真
ヴィオラ、チェロ 田崎瑞博      コントラバス 蓮池 仁
チェンバロ、ハープ  加久間朋子
2014年6月18日(水) 東京オペラシティ・リサイタルホール
■曲目
グリンカ/ルスランとリュドミラ序曲
ムソルグスキー/モスクワ河の夜明け
ハチャトゥリアン/「仮面舞踏会」より
ラフマニノフ/前奏曲より
プロコフィエフ/「ロメオとジュリエット」より
編曲:田崎瑞博 

「音楽三昧」のコンサートには何度か足を運びましたが、
なんと言ってもワーグナーが白眉で今でも私にとって
最上・最高の「トリスタン」であり続けています。
しばらく「音楽三昧」の演奏活動は休止していたため、
今回の復活公演は本当に嬉しいものです。前回から4年ぶりだとか。
天才・田崎さんの音楽活動は、「タブラトゥーラ」、「BWV2001」、
「古典四重奏団」と多岐にわたり、フォーマットが違っていても
いずれも音楽の本質を突いた驚くほど水準の高いものばかりです。
この中では私には「音楽三昧」が一番性にあっているようです。
田崎さんによるメンバー紹介、曲の簡潔な紹介による復活メニューは
新しいものでした。そしてその編曲と演奏はまさに眼から鱗、
ではなく耳から鱗が落ちるものでした。編曲ではなく再創造。
いつもながらこの編成のために書かれたものではないかと
感じさせるほど見事なものです。弦の3人でしっかりと音楽の土台をつくり、
その上にチェンバロ、ハープ、フルートなどが彩りを添えるという
パターンで、透徹した和音に氷の情熱がほとばしります。
フルートがはいっているせいか響きの透明性が増して
一瞬、武満徹の響きがよぎり、日本の伝統的な横笛のイメージは
ロシアの上に日本のフィルターをかけました。
アンコールはご機嫌なプロコフィエフのマーチで。
来年の6月の「音楽三昧」との再会が楽しみです。
(特別寄稿・jn)


ヒラリーハーン
【DG 474 199-2】
J.S.バッハ ヴァイオリン協奏曲集
ヒラリー・ハーン(ヴァイオリン) 
ジェフリー・カーン指揮 ロス・アンジェルス室内オーケストラ

ヒラリー・ハーン、かつての天才少女もいまや30歳半ば。
ただこの録音は今から10年位前のものです。
コンクール歴なんかもなくても堂々と地歩をかため、
いまや押しも押されぬ世界が注目している一人ですが、
そんな中、じっくり彼女のヴァイオリンを聴くタイミングは
ありませんでした。バッハの協奏曲はある意味では
個性を主張しにくいのですが、音楽に取り組む姿勢の正しさ、
端正な演奏に好感が持てます。
バッハはハーンにとって原点だと何かで読みましたが、
速い楽章はより速く軽快に、ゆっくりの楽章はじっくりと
歌い上げます。しっかりとした技術のうえに気品という
衣をまとった涼しげな風が吹き抜けるよう。
中でも聴きものは2台のヴァイオリンのための協奏曲で
コンサート・ミストレルのマーガレット・バーチャーも
とても上手に弾いています。
ハーンを引き立てようとしているわけではないでしょうけれど、
なんとも優しく親密なサポートをするだけではなく刺激的で、
彼女に触発されたハーンの本気が見えて来ます。
アメリカのクラシック音楽は特に20世紀の後半から
ヨーロッパのそれとはずいぶんと違ってきているのを感じますが
、伝統に根差したこういった演奏は古楽が幅を利かせている
この分野でも十分に通用するし、
感動することが出来るってことを証明しています。


シャネル3
シャネル YCAコンサート 2014 
 6月7日(土) 銀座シャネル ネクサスホール

グリーグ チェロ ソナタ イ短調 作品36
   チェロ ヤン=エリック グスタフソン 
   ピアノ パーヴァリ ユンパネン
レベッカ クラーク 前奏 アレグロと牧歌
   ヴィオラ トビー アベル
   クラリネット ホセ=フランク バイェステール
ラヴェル ピアノ三重奏曲 イ短調
   ヴァイオリン ポール ホアン  
   チェロ ヤン=エリック グスタフソン
   ピアノ ルイ シュヴィッツゲーベル

あいにくの大雨洪水注意報の中、シャネルのコンサートに行ってきました。
長靴にレインコートといういでたちで行くには、さすがに気が引けて
会場到着前に靴を履き替えて入場。悪天候の中でも会場は
ドレッシーな人たちが多数、満席の熱気に包まれました。
シャネル2
各座席にはハードカバーで金エンボスの高級感あふれるプログラムが
置かれ、黒いスーツでテキパキと来場者を誘導する
会場スタッフもズラリと。
このYCAというのは、「ヤング コンサート アーティスツ」ということで
世界中から才能ある若手音楽家を国際オーディションで発掘し、
そのキャリアを支援する目的で1961年に設立された非営利組織。
シャネルが後援しています。
今年はここの出身で経験豊かな奏者による演奏をというコンセプトで、
主にプロとして活動している人たちによるプログラミングです。

プログラム最初のグリークのチェロソナタは、
ノルウェーの国民楽派として独特の旋律を随所に配した曲。
チェリストは、つい先ほどエレベーターに偶然同乗してきた
大柄なフィンランドの人でした。ピアニストも同国出身でしたが、
ここではチェロの安定感が抜群。

続いては、レベッカ クラークの二重奏。
大変珍しい曲で、幅広い作曲手法や斬新な和声やリズムを使っています。
ヴィオラとクラリネットという共に中音域を担う楽器だけでの演奏は
ピタリと息の合ったアンサンブルでした。

休憩後は、ラヴェルのピアノ三重奏曲。
洗練された、とても美しい傑作で、(技術的には最難関ですが)
イマジンでもいつかは挑戦したい憧れの曲でもあります。
小柄なポール・ホアンのヴァイオリンが紡ぐ旋律は
確かな技巧と豊かな歌心が全体をリードしていきます。
それにピタリと寄り添うチェロと華やかに彩るピアノは
4つの楽章を一気に聴かせたこの夕べの白眉ともいうべきものでした。

盛んな拍手の後、シャンパン・サービスをあとにして、外に出ると
まだ残っていた雨が音楽の世界から現実へ連れ戻しました。
シャネル1

マーラー
【DG 417 8988】
フリッツ・ヴンダーリッヒ(テノール)
ディートリヒ・フィッシャー-=ディースカウ(バリトン)
ヨゼフ・クリップス指揮 ウィーン・シンフォニカー

マーラーの交響曲は日頃はほとんど聴くことがありませんが、この録音が
特別なものだということくらいは理解できます。交響曲とはいっても
この曲の場合は歌手のレベルがすべてと言っても構わないと思います。
その意味で、これ以上ないような組み合わせで最高の歌手が
二人参加していて、なんという贅沢なことでしょう!
さっそくテレビ・コマーシャルで使われて有名になった第三楽章の
「青春について」を。輝かしい張りのある声で東洋的なメロディーを
歌い上げる姿(見えませんが)にしびれます。
やっぱりヴンダーリッヒは最高ですね。
これに比べるとフルトヴェングラーさえも感動させたという
フィッシャー=ディースカウもちょっと影が薄い感じさえしてしまいます。
再びヴンダーリッヒに戻ってそのあとの酔っぱらいの歌、
「春に酔えるもの」も大した表現力です。バックのフルートが
素面なのが惜しい。最後の「告別」だけで30分もかかる曲ですが、
さすがにここのフィッシャー=ディースカウのゆるぎない歌唱に
一気に音楽へひきこまれてしまいました。ここはクリップスの指揮も
立派です。「大地の歌」にはピアノ伴奏版もあってすでに出版されて
いますが、なんと、サヴァリッシュのピアノで国立音大にて
世界初演が行われたとのことです。




yatchan2003

Author:yatchan2003
2003年から活動開始。
音楽への想いを伝えたい!
お客さまと共に楽しみたい♪
をモットーに進化中。