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2014 / 10
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澄み切った秋晴れの日曜日、亀戸カメリアホールにて
「ライヴ・イマジン29」が開催されました。
今回は「フォーレ・メロディーの花束」ということで
フォーレの作品のみのプログラム。
一般的には馴染みの薄い作曲家だけに事前の反応も今一つで、
果たしてどれだけのお客様の来場して下さるのだろうか?
と心配しました。また亀戸はイマジンにとって初めての会場
だったので、舞台だけでなく駅からのアクセス、楽屋や通路、
ロビーなども勝手がわからず少々戸惑いも。


開場時間に近づくとホールのある3階のエスカレーターには
ちらほらと顔なじみのお客様が現れてようやく受付でも
ホッとしました。そのうちに次々と受付前にはお客様方が並び、
いつものように用意したプログラムはどんどん消えていきました。

1挨拶  2挨拶
先ずは恒例の幹事の御挨拶。
フォーレの時代には日本はどんな様子だったか、
その和声の響きは日本人の耳には親しみやすいものでは?と
身近な話題を含めてご紹介。今日は原稿無しでも
慣れた面持できっかり予定時間内にお話を収めました。

3夜想曲  4夜想曲
最初は夜想曲13番をピアノ独奏で。
5番と6番が有名ですが、最晩年に書かれた13番は
瞑想と力強さを感じさせる感動
的な曲です。レクイエムを思わせる ロ短調の響きで
会場をフォーレの世界にいざないました。

続いてはデュオの演奏で。
5シシリエンヌ  6シシリエンヌ
先ずはチェロ独奏での「シシリエンヌ」を。
ペリアスとメリザンドにも用いられたこの曲の哀愁を帯びた旋律は、
他の楽器での演奏も多くどこかで耳にした方も多いと思います。
まだ少しチェロが温まっていなかったかもしれません。

7パヴァーヌ
8パヴァーヌ
次はヴィオラ独奏で「パヴァーヌ」です。
もとは管弦楽曲として作曲され、のちに
合唱も追加されました。甘美で崇高な旋律美で
レクイエムと並んで中期の傑作と言われています。
ヴィオラのための曲ではないかと思うくらい、
渋い音色がぴったりはまりました。


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そしてヴァイオリン独奏で「子守歌」


ヴァイオリンの為の軽やかなこの曲は初期の作品で、
サロン風ともいわれるように洗練されたメロディの流れが
親しまれています。すっかり自己籠絡中のヴァイオリン。
10子守歌
9子守歌


さて、唯一の管楽器、フルート独奏で「小品」「夢のあとに」「幻想曲」
「小品」はパリ音楽院時代に初見練習曲として
フルートの為に作曲されたもの。端正な和音にのせて
高音から低音に至るまでの幅広い音域で聴かせる曲。
「夢のあとに」は声楽曲。もの哀しいメロディーは
胸に迫るものがあります。
最後に「幻想曲」。フルート吹きには有名な定番曲。
憂いを帯びたメロディで始まり後半は対照的に
技巧的で華やかな曲で軽やかに締めくくります。
おなじみのフルーティストの気合いが感じられました。
16フルート
17フルート

前半を締めくくるのはピアノ連弾での「ドリー」
知人のエンマ・バルダック夫人の娘エレーヌの
誕生祝いとして献呈されました。
優しく美しい「子守歌」から始まる6つの曲で
構成される組曲は、穏やかで愛らしい作品。
2人の息の合った演奏でフォーレの魅力、
この曲の人気の理由を存分に伝えてくれました。
12ドリー
11ドリー


休憩の後には「ピアノ四重奏曲第1番」
ピアノの入った室内楽曲の中でも演奏される機会の
多い作品。素朴な旋律をソナタ形式でしっかりと描く第1楽章、
軽やかなスケルツォの第2楽章、悲痛な面持ちの第3楽章、
若々しく躍動感にあふれる第4楽章。
今私たちができる精いっぱいの表現に
ひときわ大きな拍手をいただきました。
アンコールはシューマンのピアノ四重奏曲から第3楽章。
フォーレの後のシューマン、これが意外に
組み合わせの妙となったようで、
とても評判がよかったようでした。
13ピアノ四重奏曲縮小

フォーレだけのプログラムでしたが
110名弱のお客様にご来場をいただけたことは、
とても嬉しく、またひとつ新たな経験をさせて頂けたと
思っています。

15ペイント集合写真

次回の「ライヴ・イマジン」は第30回目記念として大勢の演奏者を集めて
新しい年明けにふさわしい曲目で行います。どうぞお楽しみに。
公演日    2015年 1月 17日 土曜日
公演名    ライヴ・イマジン30 「協奏交響曲 今昔」
開場     13時30分   開演     14時

出演者      ライヴ・イマジン祝祭管弦楽団

ヴァイオリン 荒井 隆(コンサートマスター)
青山 千裕、伊庭 和江、
勝守 朋子、佐々木 浩子、
守川 敦子、矢作 理花、
ヴィオラ    浅井 直樹、畑 修一、吉水 宏太郎
チェロ     近藤 裕子、名倉 英俊、西村 淳
コントラバス 飯野 恵秋
トランペット  大西 貢司
ホルン    池田 真。堀内 英子、宮澤 久美子
フルート    大門 一夫、梁川 めぐみ
オーボエ   各務 泉、野原 国弘、山下 裕子
クラリネット  佐藤 健
バソン     高知 弘
ピアノ     吉田 康子


曲目     
モーツァルト 弦楽器の為の協奏交響曲 KV320e
ショスタコーヴィッチ  ピアノ協奏曲第1番 Op.35
モーツァルト 管楽器の為の協奏交響曲 KV297b


コルトー
【Buddulph LHW027】
セザール・フランク作品集
前奏曲、コラールとフーガ、前奏曲、アリアと終曲、
ヴァイオリンソナタ、交響変奏曲
ジャック・ティボー(ヴァイオリン)
ランドン・ロナルド指揮 ロンドン交響楽団

たとえばコルトーのショパン。もうこれに異を唱えることは
神に唾するごとし、と言ってもいいほど神格化されています。
それは楽譜の校訂(コルトー版、サラベール=全音)にも
あらわれていて、単なる指使い、ペダルの指示のみならず、
曲の背景からイメージなどを含めコルトーのコルトーたる所以を
うかがい知ることが出来ます。そういえば「ショパン」(新潮社)
なんていう著作までありました。ところでこのフランク。
いやはや、技術的に破綻をきたすこともないコルトーの
50代前半の録音ですが、驚くべき素晴らしさ。
また宝物を見つけました。「前奏曲、コラールとフーガ」、
この大きくて深い味わいと、親密な雰囲気に曲の素晴らしさを
存分に味わえます。音楽そのものが語り掛けるような
絶妙な歌いくちとルバートはフランクの音楽にぴったりと
嵌りすぎるほどはまっています。しかもここでのピアノは
プレイエル(!)を弾いているようです。
コクのある、そして良く鳴るショパンの愛したピアノです。
日本の演奏会場でこのピアノを置いてあるところは
限られていますが、イマジンでは過去に3度ほど使用したことが
ありました。もうひとつティボーが相方のヴァイオリンソナタ。
2度目の録音とのことですが、語りつくされた名演に
何かを付け加えることはありませんでした。
録音のありがたさ、それを聴く幸せを実感しています。
しかもこのCDはマーストンというSP録音復刻の名人が
やったものです。



Arleen Auger - Abendempfindung (Mozart) -1988
ライヴ・イマジン28ではモーツァルトの歌曲「夕べの想い」が
演奏されました。モーツァルトの歌曲の最高傑作として
知られているものでアルフレート・アインシュタイン は
「モーツァルト、その人間と作品」( 浅井真男訳、白水社)の中で
「『夕べの気持(想い)』は感情と表現の深さを持ち、
カンタービレの完全さをそなえているために、
これはいったい劇唱(シェーナ)なのかリートなのか、
イタリア的なのかドイツ的なのかという疑問を忘れさせるような、
繊細で抒情的な真情吐露である。」と記しています。
シュヴァルツコップやフィッシャー=ディースカウのような
大歌手はもちろん、他の多くの歌手により採りあげられています。
アーリーン・オーガーはアメリカ生まれのリリック・ソプラノ歌手です。
グラミー賞を受賞したり、バーンスタインとの録音があったりしますが、
1993年に53歳で脳腫瘍で亡くなっています。
決して派手な印象ではありませんが、リリカルな声質が
モーツァルトにぴったりで、ため息が出るほど美しいフレージングを
聴かせてくれます。アーウィン・ゲージのピアノ伴奏も秀逸で
この曲に限ってはほかのものはいらないくらい。大切な映像です。

ギレリス
【DG 447 446-2】
ブラームス ピアノ協奏曲 第1番 第2番 
幻想曲集Op.116
エミール・ギレリス(ピアノ) 
オイゲン・ヨッフム指揮 ベルリン・フィルハーモニカー

記録されたものとして、演奏、録音、曲目という3拍子
揃うことは滅多にあるものではありません。
このブラームスの協奏曲集はそのたぐいまれな
もののひとつです。こうあってほしい、という響きがします。
ベルリンの弦のパワーのすごさは、半端なものではありません。
この曲を遠い昔に初めて聴いたときには冒頭のティンパニに
あおられた出だしにノックアウト(誰かが椅子から5回も、
6回もとびあがったと表現していましたが)されたものですが、
びしっと締まった緊張感の中にもしなやかさを失いません。
カラヤンでもベームでもなくヨッフムという指揮者をもってきた
プロデューサー氏の慧眼を思います。一方ギレリスのピアノは
鋼のようなとかよく形容されますがここではとても真摯に
音楽に向かっているのを感じます。技巧よりは、より曲の本質に
迫る表現には脱帽です。音そのものの際立った美しさと
鳴らしきった響きの抜け具合など、抜群のテクニックを
持つひとにこうやられてしまうと、他のピアニストは
立つ瀬がありません。西側に出て、ドイツ・グラモフォンとの
録音をするころから円熟というものがこの人にも
訪れたのでしょうか。グリークの「抒情所曲集」や
このCDの余白におさめられている「幻想曲集」にも
それが如実に感じられます。
コクがないといわれたらそれまでですが、
純水は飲むためだけにあるわけではないはずです。


yatchan2003

Author:yatchan2003
2003年から活動開始。
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