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2014 / 11
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所用でお昼に丸の内界隈を歩いていると、第一生命ビルの前に
Mozartのポスターが。すぐにピンと来て海老沢先生のお顔が
浮かびましたが、あにはからんや、モーツァルテウムとの共催による
モーツァルト展がひっそりと行われていました。
なんといっても自筆譜を何点か見ることが出来、
中には「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」の2楽章の初稿がありました!
いつものように端正なモーツァルトの自筆です。
今までに何度か自筆譜を見たことがありますが、やはり天才が生き、
実際にペンで記したもの。モーツァルトその人を身近に感じられる
特別な瞬間です。そして目玉はなんとモーツァルト自身がウィーン時代に
使用していたヴァイオリンが本邦初公開されたことにあります。
イタリアのピエートロ・アントーニョ・ダッラ・コスタの手によるもの
とされ、1764年,トレヴィーゾで作られたものです。
ニスの状態もよく、楽譜以上にこれを手にしてアイネクライネを
演奏しているモーツァルトの姿を想像するのはなんとも贅沢なときでした。
短時間しか会場にいられなかったので、夕方予定された
モーツァルテウムのコンサートマスターによるこのヴァイオリンの
コンサートに立ち会えなかったのはちょっと残念でした。
(特別寄稿jn)

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コチシュ
【PHILIPS 438 302-2】
ショパン ワルツ集
ゾルタン・コチシュ(ピアノ)

その昔、どれくらい昔なのかはあえて書きませんが、
シフ、コチシュ、そしてラーンキこの3人が
ハンガリーの若手3羽ガラスと呼ばれたことがありました。
音大生のアイドル、一番人気のラーンキが落馬して
しまいましたが、シフは巨匠の域に達し、コチシュは
いまやピアノというよりは指揮に重点を置いていると
きいています。そのコチシュが弾いたショパンのワルツ集。
タッチがとにかく美しい。このピアノという楽器を美しく
響かせる、鳴りきらせる技術としては抜群のものを
持っているのを感じます。ショパンのワルツは技巧で
押し切るようなものではないし、音楽の心そのものなので
凡百のピアニストにとってはやっかいです。
音楽の神様、ミューズが舞い降りたような演奏を聴かせている
リパッティの録音がのこされていたこともあって
どうしてもほかのピアニストは分が悪い。ただコチシュが
録音に選んだのは他ならぬワルツ集だったのがこの人の
非凡さを垣間見る感じがします。ところどころはっとするような
ルバートや弱音と見せるところは見せるぜというような
ヴィルティオーゾの技巧を武器にして、全19曲を弾き切ります。
あまりゆっくりゆったりしたテンポの設定が苦手な私としては、
早めのテンポで颯爽と弾いたこのような演奏は大好きです。


タロー
【ERATO 50999 934137 2S】
「オートグラフ」 
アレクサンドル・タロー(ピアノ)

タローのお気に入りが23曲も詰まったアンコール曲集です。
この凝りに凝ったジャケット写真とか中の写真を
見ているだけでも気持ちがタローの想いを受け止めます。
最初はやはりバッハ(シロティ編曲)の前奏曲からはじめます。
最初の一音が鳴った瞬間からこれからはじまるときめきの
瞬間に期待がふくらみます。ハフもこういった曲を弾くのが
とても好きですが、リストを中心にしたヴィルティオーゾとしての
強いこだわりを感じさせるのに対して、
タローはもう少し一般的なレパートリーが組み込まれています。
ラフマニノフの前奏曲Op.3-2の強靭な打鍵、
シベリウスの「哀しみのワルツ」Op.44-1にみられる
絶妙なフレージングと自在なルバートによる歌、
「小犬のワルツ」にしてもこの自在性は音楽を喜びに導きます。
そして、サンサーンスの「白鳥」、ゴドフスキーの名編曲ですが、
名妓に走ることなくタローが音楽を心から楽しんでいる姿が
伝わりました。大変美しいピアノの音色ですが、
スタインウェイのDタイプでした。きくところによるとタローは
自宅にはピアノがないんだとか・。たくさん練習しているけれど、
どこかに線をひかないと云々。
そしてちゃんと「楽譜」を置いて演奏することも。
リスト以来の伝統がようやく新しい世代の新しいアプローチにより
市民権を得てきています。でもこの人、間違いなくナルシスト。


ショパンの歌曲集
【DECCA 414 204-2】
ショパン歌曲集
エリザベス・ゼーダーシュトレム(ソプラノ)
ウラジミール・アシュケナージ(ピアノ)

ショパンの歌曲は彼の作品のメインストリームとなることは
ありませんでしたが、実際には20歳前のまだポーランドを
後にする前の「乙女の願い」(リスト編曲あり!)から始まり、
晩年の「メロディー」(すこの後に書かれた作品は
数曲のマズルカとワルツくらい。)に至るまで、
ぽつぽつとではあるにせよ生涯にわたって書き続けたようです。
全部で19曲が遺されました。ただそれらはたとえ後期の
作品であっても歌謡形式の単純なもので彼のピアノ作品の
奥深さくらべると、とても軽いものです。
さて、ゼーダーシュトレムとアシュケナージ、とても親しみやすい
いい雰囲気を醸しています。アシュケナージの伴奏は
ソリストのピアノを聴かせてくれます。ダイナミクスの広さ、
技巧の冴えなどいわゆる伴奏を本業にしている人たちとは
一線を画しています。シューベルトの歌曲だったら
どうにもならない部分もあるのかもしれませんが、
ショパンの作品であればこれでいいのだ、という気持ちに
させてくれました。ゼーガーシュトレムもリラックスして
ショパンのメロディーを自然に楽しませてくれます。
いわゆる芸術歌曲とは少し違ったものかもしれませんが、
ショパンという特別な人がつくったものです。
やはり彼の音楽を少しでもたくさん知ることは
ピアノ作品を弾くうえでも大切なことです。
その意味でこの録音は理想的な鑑賞させてくれました。

yatchan2003

Author:yatchan2003
2003年から活動開始。
音楽への想いを伝えたい!
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