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2015 / 04
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ファクシミリ
【Henle Facsimile Edition】
自筆譜
次回のライヴ・イマジン31でベートーヴェンの後期の四重奏曲第15番
Op.132を演奏します。ベートーヴェンの後期の四重奏曲の楽譜はその昔、
Peters以外はあまりお目にかからなかった時代があり、
その校訂にヨアヒムが係っていることから、これで十分だろうと
思っていました。何しろヨアヒムの先生はベームという人で、
ベートーヴェンの後期カルテットをシュパンツィッヒ四重奏団に替わり
演奏した人ですから。その後Henle社により入念に自筆譜、
初版譜などを検討したものが出版されると、なんと今度は同じく
Henle社から自筆譜ファクシミリが出版されました。
この曲の全貌が労せずして入手が可能となったわけです。
絶妙なタイミングを逃さずに活用するべく早速購入しました。
布張り装丁、色彩も忠実に再現、印刷されたとても立派で美しい本です。
悪筆で有名なベートーヴェンですが、思ったほどではありませんでした。
演奏楽譜の記載に違和感を感じたなら確認して納得をする。
その過程で色々なことを考える。また筆致の勢いから作曲者の想いを
読み取ることもできます。のちの人の誰かが書き加えた、
訂正したものなどは明らかに違うものと認められます。
これらの作業の結果、Petersの誤謬も発見しました。
あたりまえのことを普通にやる姿勢が一番大切で、
一番の近道だということ、そしてそれが出来る環境にある。
この人類の宝ともいうべき自筆譜ファクシミリが世に出るのに
ピアニスト・アンドラーシュ・シフの尽力が大きかったそうです。
彼には大いなる感謝をささげます。
(特別寄稿・J.N)

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はがき
ライヴ・イマジン31 
2015年5月5日(火祝) 13:30開場  14:00開演
ティアラこうとう 小ホール

第31回目のライヴ・イマジンは、最もスタンダードな室内楽、
弦楽四重奏曲とピアノ四重奏曲で初心に立ち返ります。
ゴールデンウィーク中の爽やかな初夏の風となりますように。

ベートーヴェン 弦楽四重奏曲 第15番 イ短調 Op132
ブラームス ピアノ四重奏曲 第1番 ト短調 op.25


ヴァイオリン  前田 秀、前田 薫
ヴィオラ    吉水 宏太郎
チェロ     西村 淳
ピアノ      吉田 康子

入場無料(要整理券) 未就学児童の入場はご遠慮下さい。
入場整理券をご希望の方は、下記の問合せ先アドレスに
お名前 ご住所 電話番号 年齢 職業 コメントを添えて
「ライヴ・イマジン音楽記を見て整理券希望」とご記入下さい。
折り返し上記の葉書(入場整理券)をお送りします。
お問い合わせ  liveimagine@yahoo.co.jp

メルちゃん
アレクサンドル・メルニコフ ピアノリサイタル
2015年4月1日(水) 東京文化会館 小ホール
ショパン  24の前奏曲 op.28
スクリャービン 幻想曲 ロ短調 Op.28
スクリャービン 2つの詩曲 Op.32
スクリャービン ピアノ・ソナタ第3番英へ短調Op.23
スクリャービン  5つの前奏曲Op.74

メルニコフのリサイタルに行ってきました。
これは、「東京・春・音楽祭 東京のオペラの森2015」という
上野の森を中心とした地域での一連の演奏会のひとつ。
メルニコフは、ヴァイオリンのイザベル・ファウストやチェロの
ジャン・ギァン・ケラスとの名演で評価の高いロシアのピアニスト。
CDでの素晴らしい演奏を聴いて一度はライヴで聴いてみたい
と思っていましたが、前回来日時は、ヴァイオリンの
イザベル・ファウストとの共演の演奏会で、チケットが発売直後に
完売するほどの大人気。独奏を聴く機会を伺っていました。

小雨交じりの上野の東京文化会館は、桜がちょうど満開。
日が暮れてからも空気が暖かく、人々の賑わいが感じられました。
メルニコフは、日本でウケのいいビジュアル系でもなく、
TVで語られるようなストーリーもありません。
そういう意味では地味な存在ですが、さすがに彼の実力は
知る人ぞ知るところなのでしょう。

プログラム前半は、ショパンの24の前奏曲。
ステージに現れた生メルニコフは、CDジャケットの印象よりも
大柄で丸い感じで、ピアノの前に座ると、椅子の背に寄りかかり、
しばし思索を巡らせるような様子。
意識を集中させたのか、その一瞬後に弾き始めました。
その途端にふわ~っと美しい響きがピアノから音楽が
溢れ出たるのが見えるような気さえしました。
ピアノを弾く姿勢も良く、もう巨匠としての貫録もたっぷりです。
今では当たり前のように24曲を通して弾かれますが、
凡人には手の届かない程の曲の数々。それを何の苦も無く
弾き切ってしまう、これを当たり前に弾けることがプロ中のプロの
最低条件なのかもしれません。音の多彩さも鮮やかなもので、
各声部に相応しい音色で適格に表現し、美しいフレージングと
最弱音から最強音までの幅の広いダイナミクスは少し重い
感じのするスタインウェイ274の楽器の限界をがっちりとらえていました。

物音ひとつたてること無く静かに集中して聴き入る客席の様子は、
先日行った小菅の演奏会とはまた違う客層でしょうか。

後半はスクリャービンの作品ばかり。難解で手を出せない領域の曲、
というイメージのせいか私にとってわずかに詩曲1番が
ホロヴィッツの演奏で聴き覚えがある程度。
どれも厚みのある神秘的な響きの和声、オクターヴの連続、
難しいパッセージの連続で、前半のショパンが易しく思えてくるほど、
あらゆる技巧を尽くした感のある曲ばかりでした。
ピアニストとしての実力の大きさ深さを痛感しましたが、この人は
室内楽も超一流。是非別の機会に顔を出してみたいと思います。
以前に聴いたキリル・ギルシュテインにしてもしかり、
ロシアのピアニストの層の厚さは想像以上です。
アンコールには、プロコフィエフの束の間の幻想Op.22より
No.10 Ridicolosamente、ブラームスの6つの小品よりNo.3、
シューマンの子供の情景より第1番「見知らぬ国と人々」からの3曲でした。

yatchan2003

Author:yatchan2003
2003年から活動開始。
音楽への想いを伝えたい!
お客さまと共に楽しみたい♪
をモットーに進化中。