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2015 / 06
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アルトゥール
【音楽之友社】
鍵盤の王者 ルービンスタイン物語   
アリーサ・フォーシー著 横山一雄訳

ルービンシュタインの有名な自伝「華麗なる旋律」は,自身が
自らの物語を筆記したものでした。この本はまだ彼が存命中に、
本人からの聴き伝えをもとにして記述したもので、自伝の中では
勲章をもらったとかそんなことは恥ずかしくて書けない、
としていたことがたくさん書かれています。しかし著者には
第三者的な目があるため、それは私たちがイメージしている
ルービンシュタインに近いものとも言うことが出来ます。
あまりにも絶賛の連続で辟易してしまいますが、とにかく人生を、
音楽を愛した偉大なるピアニストの人となりはよく伝わります。

有名なエピソードを一つご紹介します。
『・・その夏、ルービンスタインはオーストラリを演奏旅行した。
シドニーで彼は思い立ってタロンガ・パークの動物園を訪れてみた。
シェブロン・ヒルトンホテルの部屋に戻る途中、彼は通りに
そのほとんどが若い女の子の群れを認めた。ビートルズが
ヒルトンの向かい側のシェラトンホテルに泊まっていたからだった。
近寄っていくと、彼らが「We love you, Beatles!」と声を合わせて
叫んでいる。ところがその時数百人のビートルズファンよりも
年上に見える一団の人間がプラカードを持って、やってくるのが見えた。
アルトゥール2(画像は動きません、念のため)
その旗には「WE LOVE YOU, ARTUR!」
「ARTUR LOOKS BETTER THAN RINGO」(笑)
「ARTUR IS KING」と。彼らはルービンスタインの姿を認めると、
「Yeah! Year! Arthur!」と叫びその喚声はビートルズファンの
それを圧倒した。

アルトゥール3(画像は動きません、念のため)
喜んだルービンスタインは歩み寄って、
プラカードを担いだ学生に話しかけ、彼らの大勢と握手をした。
彼はこの学生たちが、サウス・ウェールズ大学から
やってきたことを知った。ニューヨークタイムズは、早速この事件を、
「ルービンスタインのフォルテシモ、Yeah!, Yeah!, Yeah!を圧倒」
の大見出しで報道した。』当時の動画でアルトゥールが
本当に嬉しそうにしている様子がありました。
それにしてもビートルズもすごい!


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メルちゃん
【Harumonia Mundi HMC902183】
ベートーヴェン ピアノとチェロのための作品全集
ジャン=ギアン・ケラス(チェロ)
アレクサンドル・メルニコフ(ピアノ)

予想していたことですが、ケラスとメルニコフ、恐ろしいほどの
高みに到達した演奏を繰り広げます。
ヴァイオリンのファウストを加えたトリオがあまりにもすごいので
当然予想していたこと、となりました。ピアノとチェロのための
ソナタという曲の性格のことがありますが、なんといっても
縦横無尽に走り回るメルニコフのピアノにとても惹かれます。
ケラスのチェロも初期の作品でのヴィヴラートは本当に控えめ、
ところが時代がすすむにつれてヴィヴラートがあちこちに
顔を見せるというように時代様式をしっかり踏まえたテクニックを
駆使しています。ピアノがとにかく上手いし聴き惚れるというのは
このこと。現代最高のアンサンブルと断言してもいいと思います。
鈴木秀美さんが国立音大で1番のソナタを弾いたときにも
感動したものですが、なんといってもこれは録音。
生だったらどんなにすごいかなって想像しました。




ロジェ2
【SONY SRCR1845】
ドビュッシー、フォーレ ピアノ曲集
アンリエット・ピュイグ=ロジェ(ピアノ)

ロジェ先生、来日した時に録音された珠玉のピアノ。
作曲された年代順に並べられたことから何かを伝えてくれようという
強い意図を感じることができます。これを録音した時はもう70歳を
超えていたはずですが、なんと瑞々しい表情をしていることでしょう。
それと打鍵の力強さに驚きます。ピアノを弾くということは
つくづく脱力にあることを改めて思いますが、
これが出来ているピアニストは高齢となっても技術的な衰えを
感じさせません。逆にうまくできていない人は技術の衰えが
年齢と共にやってくるようです。フォーレのほうにより適性があるようで、
(ああなんて美しいのでしょう!)そう、音楽がそっと
語りかけてくれるので安心してその世界に浸ることができます。
ロジェ先生がもう少したくさんの録音を遺してくれていたなら
この作曲家がもっとメジャーな地位を獲得したでしょうね、きっと。




ロジェ1
【アポロン APCC-3】
「音楽紀行」バロック時代の作品集
アンリエット・ピュイグ=ロジェ(ピアノ)
アンリエット・ピュイグ・ロジェさん。というよりもロジェ先生
というのが正しい。と言い切ってもいいほど、晩年に来日し
藝大をはじめ、武蔵野などの音大で指導し、この人に
お世話になった演奏家は数がしれません。
直接教えを受けたわけではありませんが時々舞台にも上り、
その演奏家としての資質も垣間見せてくれました。コンサートでは
歌の伴奏で本当にタメ息が出るような絶妙なニュアンスを
醸し出してくれていたのを昨日のように思い出せます。
偶然見つけたこのCDですが、ロジェ先生お得意の
バロック期のデュプリ・チマローザ・ラモー・クープランなどの
クラヴサンのために書かれた作品がぎっしり詰まっています。
いまではピアノで弾かれることは稀になりましたが、楽器が
ピアノだろうが何であろうが優れた音楽家のみが持つ
理解力、表現力によってそれがどの時代のものであろうと
作ったのも人間、演奏していたのも、そして聴いていたのも
人間というのを感じます。これほどの人が日本で指導をして
くれていたなんて・って今更ながら感じます。
いったいそれがどれほど私たちの中に根付いたかが大切ですが。

yatchan2003

Author:yatchan2003
2003年から活動開始。
音楽への想いを伝えたい!
お客さまと共に楽しみたい♪
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