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2015 / 07
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アルゲリッチ本
【音楽之友社】
「マルタ・アルゲリッチ 子供と魔法」
オリヴィエ・ベラミー著 藤本優子訳

まだ本人がご健在なのに伝記を?と訝しみながらも、
天才ピアニスト、相当ワガママな人、いろいろなエピソードが
漏れ伝わる人だけ誘惑にかられてちょっと覗いてみたくなりました。
出てくるわ出てくるわ、知った名前がこれでもかっていうくらい。
これだけエキゾチックな美人でなおかつ誰もがひれ伏すような
ピアノ演奏、男どもが群がるのは当たり前、そうして彼女は
どんどん受け入れる。結果男たちは女王様に引きずり回されている。
でも別れてからも影に日向に手を差し伸べる、女の甲斐性ここにあり
みたいに。スティーヴン・コヴァセヴィッチというピアニストとの関係、
そして彼女の先生たち、グルダ、ミケランジェリ。
そしてマルタの心を根底から揺るがし、あと20年若ければなあ
とさえ思わせた、エフゲニー・キーシン。奔放さと繊細さ、彼女なりの
思い遣り。知りたかったソロをほとんど弾かなくなったのはどうして?
っていう答えもちゃんとありました。音楽的なヒントが一つ二つ
なにかあるかなと期待もしましたが、残念ながら天才からは
そこの部分は見出すことが出来ませんでした。



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ヴァルター
【ACCENT ACC24265】
モーツァルト ピアノ協奏曲 KV466 & 467
スホーデンヴェルト(フォルテピアノと指揮)クリストフォリ

アントン・ヴァルターの1782年のフォルテピアノをコピーした楽器を
使用しています。当時の音楽がどのように響いていたか、
とても興味があり、イマジン21でフンメル版を弾いたKV466が収録されて
いたので、手にとってみました。まず、冒頭を一聴しておや?通奏低音に
チェンバロを使っているのかと・・でもその疑問はすぐに解けました。
いわゆるフォルテピアノの幾分くぐもったような響きに慣らされていた
耳には、これがフォルテピアノ?と聴こえたものでした。
ヴァルターのものは軽やかにすっきりとした音でピアノとチェンバロを
足して二で割ったような音がします。
そしてオーケストラパートは各パート一人で演奏されています。
トゥッティの部分では管楽器とティンパニが派手にやってくれ、
その間を縫うように歯切れのいいピアノが走りまわり、ヴァイオリンと
会話をします。まったく新しい体験というのはこのことで、
録音場所に選ばれたブザンソンの教会の美しい残響に包まれると、
どこでどのように聴くのが正しいのかと思ってしまいます。
ここまできたなら実際に演奏する場所も選ぶべきでしょうし、
コンサートホールではなく、やはりヨーロッパのどこかのお城で、
というイメージがわいてきます。
考えさせてくれてそしてとても気持ちを豊かにしてくれる快演でした。

レヴィン
【L’OISEAU-LYRE 452 052-2】
モーツァルト ピアノ協奏曲第22番&23番
ロバート・レヴィン(フォルテピアノ) 
クリストファー・ホクウッド指揮 
アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック

お目当てはもちろん第23番ことK488です。エラそうじゃないため、
とびっきりの名曲とはされていませんが、
皆から愛されていることからだと一番人気にちがいありません。
ここではレヴィンによりフォルテピアノで演奏されています。
フォルテピアノの音は悪く言えばぺんぺんとした音ですが、
なんとも味のあるもので、モダンピアノと比べるとパワーはないものの、
むしろオーケストラの音たちとうまく溶け合うようにも思えます。
レヴィンの演奏解釈は自由な装飾をつけて弾いていて、
音楽の歓びそのものを音符から引き出しています。
このスタイルは好きですが逆にアマチュアの世界からはむしろ
とても遠いところにあるものです。何しろ楽器もちがうし、
まねをすることすらできません。録音は98年のことですから、
一昔前、レオンハルトやブリュッヘンから始まった、
オーセンティックな演奏を引き継ぎ、いわゆるホクウッドたちによって
燎原の火のごとく広まっていった古楽の世界が
堂々とそのいるべき場所を得たころのものです。
今はもっと小規模な編成でやったりもしているようですが、
答えは一つだけではないはずだし、
これはこれとして楽しんでいいと思います。




みどり
【SONY SK87740】
メンデルスゾーン、ブルッフ ヴァイオリン協奏曲
五嶋みどり(ヴァイオリン)
マリス・ヤンソンス指揮 ベルリンフィルハーモニカー

ライヴ録音。日本にというより、世界のMIDORIの演奏。
何よりも素晴らしいのはベルリンの分厚いオケの中から
浮かび上がる足すものも引くものもないヴァイオリンの響き。
おそらくガルネリの力強い、そしてほとばしり出るような黄金の音色。
ベルリンフィルの見事なバックアップは時には刺激し、
時には寄り添うようにヴァイオリンと一体になって音楽を昇華させます。
オーケストラにあるメンデルスゾーンお得意のフレーズが
これほど躍動感を持って表現されたのは聴いたことがありませんでした。
そのメンコン、最終楽章おわりのオクターヴに思わず
涙が出そうになりました。できればその場にいてこれを聴きたかった・
というのが正直な感想です。
帰国(来日?)したら絶対に逃してはダメな一人、世界遺産の音楽家です。




yatchan2003

Author:yatchan2003
2003年から活動開始。
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