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2015 / 10
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カラヤン
【DG 447422-2】
リヒャルト・シュトラウス 「死と変容」「メタモルフォーゼン」
「最後の4つの歌」
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 ベルリン・フィルハーモニカー
グンドゥラ・ヤノヴィッツ(ソプラノ)

普段は本格的なオーケストラの録音なんかは
あまり聴くことがないのですが、これには「最後の4つの歌」が
入っていたのと、カラヤンだもの、悪いはずはないということで
手に取りました。最初の交響詩「死と変容」は
リヒャルト・シュトラウスのオーケストレーションが全開です。
あっという間にその世界に引き込まれて全曲を
聴きとおしてしまいました。音楽に官能性を持ち込んだのは
もう一人のリヒャルト、ワーグナーあたりなら、この曲は
その延長上にあって、「死」というテーマに上りつめました。
モーツァルトなんかを流麗に指揮しているカラヤンとは一味違った、
それにしても迫力満点、美しさ満点、これ以上何を求めようか
というような演奏です。久しぶりの感動。「メタモルフォーゼン」のは
第二次大戦の懺悔の音楽・ここにも考えてみると
人の死がかかわっています。23人の腕達者な弦楽器奏者の
分厚い響きはそのまま心をググッとえぐります。
ここまで聴いて「最後の4つの歌」がお目当てだったのを思い出しました。
「モルゲン」だとか「セレナード」など音楽のデザートのような、
美しすぎる楽曲を提供し続けたリヒャルトの死を前にして
たどりついた世界。ほとんど胸が締め付けられるような静かな感動が
胸いっぱいにひろがりました。柔らかくも豊かな声量、
ヤノヴィッツの歌は絶妙なオーケストラと一体になって
じっくりと聴かせてくれます。ブラボー!


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色調補正ひのさん
新潮講座スペシャルinロシア大使館
「戦火のシンフォニー」の真実
講師 ひのまどか  2015年10月15日 ロシア大使館内ホール

この講演会は、ひのまどか著「戦火のシンフォニー」が
第25回新日鉄住金音楽賞特別賞を受賞した記念に
新潮社主催で企画されたものです。

ひのまどか さんは、東京藝大を卒業後にヴァイオリニストとして
東京ゾリステンで活躍、その後音楽関係の執筆活動に入った方です。
私は作品をいくつか読むうちにすっかりファンになっていたので、
この講演についての小さな新聞記事を見つけた時は
とても嬉しく楽しみにしていました。ご本人に会える、お話を聞ける、
しかも会場はロシア大使館!こういう機会でなければ
絶対に入ることさえ出来ない場所です。

当日ものものしい雰囲気で両脇に警察官が立つ門扉から
敷地内に入り、ホールへ。小学校の講堂のような200名ほどの
客席のあるホールの舞台脇にはフルコンと思われる大きなピアノ。
ホールの外にも同様の大きなピアノがありました。壁にかけてあった
風船が何とも言えないロシアの雰囲気を醸し出しています。

ひのさん登場の前に、ロシア大使館の歴史学者コンスタンチン氏のお話。
流暢な日本語でレニングラード封鎖についての概要説明がありました。
そして60万人とも100万人とも言われる多数の死者を出しながらも
市民がレニングラードを守り抜いたという事実がロシア人にとって
大きな誇りであり、大切にしていることを力強く伝えて下さいました。

ひのさんからは、この本の執筆への経緯から始まり、取材中に得た資料、
当時のニュース映像や演奏録音、現地で撮影した写真などをまじえての
詳しいお話がありました。日時や場所、その時の状況などを理路整然と
説得力を持って伝えて下さる様子からひのさんの頭脳明晰さと
取材の綿密さを感じました。当時の爆撃の様子を伝えたフィルム、
次々と餓死者の出る白い地獄と化した首都。
目をそらしたくなるくらい強烈なものを伝えます。
極限状態で音楽を守り抜いた人々の事を伝えたいという思いと同時に、
音楽は何のため、誰のためにあるのか?を自分自身でも考えたい
という言葉が強く印象に残りました。
講演の後にロビーでティーサービスがあり、持参した本に
ひのさんにサインをして頂きました。もちろん「戦火のシンフォニー」も
読みましたが、最近ようやく入手した児童書の伝記シリーズ第1巻目の
「チャイコフスキー」をお見せしたら、よく手にはいりましたね、と
とても喜んで下さいました。ロシア産の温かい紅茶でホッと一息した後に
館外の麻布台の街に出ると、柔らかい秋の空気に包まれて
今まで外国に行っていたかのような特別な気持ちになりました。

■「戦火のシンフォニー」については、続いてご紹介します。


戦火のシンフォニー
戦火のシンフォニー  レニングラード封鎖345日目の真実
ひの まどか 著  新潮社刊

1941年から900日間、ナチスドイツにより封鎖された古都レニングラード。
すべてのライフラインを断たれ、砲弾の雨、強奪、凍死、餓死、
人肉食……。想像を絶する地獄絵図の中で、
ショスタコーヴィチの超大作、交響曲第七番『レニングラード』を
現地初演しようとする80人の音楽家たちがいた。
極限状況下なぜそこまでして? 何のために?
日本にはその事実が全く知られていないことに愕然とし、
その無名の音楽家たちのことを是非とも伝えたい。
極限状況下、芸術は何の役に立つのか?を考えたいという強い信念のもと、
ロシア語を学び、資料を研究し、現地を再訪し綿密な取材を重ねて
完成された渾身の作品です。
当時演奏した音楽家の写真、砲弾に射抜かれた楽譜、
戦争博物館の資料などが掲載され、圧倒的な説得力を持って
歴史に刻まれた事実を甦らせます。

朝夕が肌寒い陽気になり秋の訪れを感じさせてくれます。
ライヴ・イマジン32は3連休中の10月11日に開催されました。
今回の会場は五反田文化センター音楽ホール。
駅から遠い初めての場所ということで、ご案内状に添える
道案内も苦労しました。それでも「道に迷ってしまった」と
葉書を手にした客様を入り口でお迎えして会場にご案内しました。
坂道に沿った建物なので、ホールは1階から
階段を下りた地下になりますが、吹き抜けのガラス張りのせいか、
とても明るいロビーです。
受付1

受付2

先ずは受付でお客様をお迎えします。
お名前を覚えきれないながらも毎回のようにお見かけする
お客様が多く、中には「イマジンの追っかけです」と
楽しそうに声をかけて下さる方もいらっしゃいました。
挨拶
先ずは恒例の幹事のご挨拶
最近はさすがに慣れてきたせいた手短に要領よく。

カプリッチョ
第1曲目はRシュトラウスのオペラ「カプリチオ」より
冒頭の弦楽六重奏曲。月夜を思わせるような現実離れした
美しい旋律が心地よい音楽の世界にいざないます。
カプリッチョ2
ホールはステージが広く、天井が高くて残響の長くて
のびやかな弦楽器がよく鳴ります。
カプリッチョ3
カプリッチョ4

第2曲目はプーランクの六重奏曲
縮小プーランク
5つの管楽器とピアノの為の曲といえば、筆頭に挙げられる名曲。
プーランク独特の和声と軽快軽妙なフレーズが
隙間なくちりばめられて、各楽器の特性を生かした
隙のない配置で一気に引き込まれます。
ティル3

休憩の後は、プーランクと同じ5つの管楽器とピアノ用に
編曲されたR.シュトラウス作曲の「ティル・オイレンシュピーゲルの
愉快な悪戯」オーケストラ版は有名ですが、あのゴージャスな響きを
6人で聴かせるのは大変でした。
フルート
オーボエ
クラリネットとファゴット
ホルンとファゴット
ピアノ

「難易度の高い曲ですが、演奏効果はかなり高いです。」という
楽譜販売の説明にもひるまず、一期一会の機会だと選曲。
苦労しましたが、それだけに達成感がありました。


最後はR.シュトラウス作曲「メタモルフォーゼン」
メタモル1
不穏な時代を背景にドイツ文化の終焉とも言われた哀しみの曲。
この演奏の為に資料を調べ、海外の研究者からの協力も得て
膨大な情報を集めました。
ヴァイオリン2人
曲に命を注ぐ気概で取り組んだ姿勢は演奏にも反映され、
深い思いを伝えました。
メタモル2



アンコールは、ヴォルフ・フェラーリの室内交響曲より第3楽章。
アンコール1
アンコール2
沈痛な雰囲気の曲で締めくくった会場の空気が
穏やかに温まりました。今回は弦楽器チームと管楽器チームの
二手に分かれて練習を重ねましたが、アンコールで
一堂に会しての演奏。それぞれの良さを感じながら
アンサンブルの楽しみを味わいました。
アンコール3
今回は、雨、連休中、馴染みの少ない曲目、初めての会場
にもかかわらず、約100名のお客様がご来場下さり、
盛会のうちに終えることが出来ました。

縮小
次回は、来年2016年2月20日(土)今回と同じく
五反田文化センター 音楽ホールにて。
いつもご指導頂いている古典四重奏団の田崎 瑞博先生を
指揮にお迎えして「ライヴ・イマジン祝祭管弦楽団」
第2弾を予定しています。どうぞお楽しみに。

次回予告 ライヴ・イマジン33
2016年2月20日(土)
五反田文化センター 音楽ホール
ハイドン   交響曲第39番
モーツァルト ピアノ協奏曲第9番「ジュノーム」
モーツアルト ホルン協奏曲第1番
モーツァルト 交響曲第25番


ライヴ・イマジン祝祭管弦楽団

指揮 田崎 瑞博
ホルン独奏 池田 真
ピアノ独奏  吉田 康子
コンサートマスター 前田 秀

オーボエ 野原 国弘 各務 泉
ファゴット 植田 隆彦 奥山 薫
ホルン  池田 真  宮澤 久美子 堀内 英子 山下 浩司

ヴァイオリン 内田 明美子 青山 千裕 木村 俊道 
須藤 麗子 多湖 永子  玉城 晃子
八木 翔太郎 守川 敦子 前田 薫
ヴィオラ 奥和田 英一 内田 吉彦 畑 修一 吉水 宏太郎
チェロ 西村 淳  奥和田 久美 金田 千畝 近藤 裕子
コントラバス 北村 隆男











古典Q
古典四重奏団 スメタナ&ヤナーチェク2015
2015年10月4日(日)第一生命ホール

スメタナ・弦楽四重奏曲第1番 ホ短調 「わが生涯より」
スメタナ・弦楽四重奏曲第2番 ニ短調
ヤナーチェク・弦楽四重奏曲第1番「クロイツェル・ソナタ」
ヤナーチェク・弦楽四重奏曲第2番「内緒の手紙」

古典四重奏団(川原千真・花崎淳生・三輪真樹・田崎瑞博)
レクチャーではヤナーチェクの二つの作品の特徴を中心に
音を交えながらとても丁寧な解説があり、このちょっと
厄介な作曲家が少し理解できたような気になります。
一つの演奏会でスメタナとヤナーチェク全4曲の
弦楽四重奏曲をすべて暗譜という稀有な体験を
することができました。
スメタナは名曲「わが生涯」くらいなら知っていても、
死の直前に書かれた第2番を聴く機会などほとんどなく、
前者の懐かしい旋律は確かに心を打つものがあっても
後者のちょっと病的な構成にはついていくのがやっと
という状況でしたが知的なアプローチは曲の面白さが
よくわかりました。
さて、ヤナーチェク。独特な音楽語法を少しかみ砕くことが
できれば曲の理解も進もうというもの。
「クロイツェル・ソナタ」も「内緒の手紙」も生で聴くことができ、
とても身近なものにすることができました。またヤナーチェクの
音楽がこれほど面白いものだと気づかせてくれた大変優れた
古典四重奏団の演奏解釈にはとても高い音楽の達成がありました。
お天気に恵まれたせいもあって、各楽器はとても良く鳴っていて、
楽器そのものがワンランク上のものに聴こえたほどで、
バランスもとても良く外連味のない音楽そのものが提供されたことは
歓びに堪えません。
チェロの田崎先生には「ライヴ・イマジン」は大変お世話になっています。
ほぼ毎回演奏指導をしていただいていますし、その後ではバラバラだった
個々人の考え方が統一され、曲本来の形にしていただくことができました。
これからも先生とのかかわりを深めることで演奏そのものの
質の向上を目指すことが私たちの目的でもあります。
(特別寄稿・jn)

yatchan2003

Author:yatchan2003
2003年から活動開始。
音楽への想いを伝えたい!
お客さまと共に楽しみたい♪
をモットーに進化中。