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【新潮社刊】
「音楽って何だろう」~安永徹対談集

この本は1990年に出版されました。
今からもう25年も前の事になります。
安永さんというカラヤンの率いるベルリン・フィルハーモニーの
第一コンサートマスターを日本人で初めて務めた人が、
作曲家の石井真木、三善晃、徳永二男、そしてお父さんの
安永武一郎と対談をしています。特別「音楽って何だろう」を
肴にして討論を行っているわけではありませんが、
この日本屈指の音楽家によるいくつかの言葉は心に残りました。
たとえば練習では、「自分が今出している音が実際どのように
響いているか。あるいは自分が持っている悪い癖をどれだけ自分で
聴き分けてなおすことが出来るか、自分が弾きたいと思うイメージに通りに
ひけているかどうか」とか。石井さんは日本人が西洋音楽をやることへの
わだかまり、みたいなものが根っこにあるし、三善さんは学長だけあって
エラそうにしているし、徳永さんは「お友達」だけど、やはりそのレベルも
ポジションも月とすっぽんくらい違うんだからもう少し慎みが
あるべきでしょう。ただお父さんはお父さん。この人あってこの子あり
みたいないいものを醸し出しています。「音楽って何か」のツッコミが
あることを期待していましたが、しょせんそれを言葉で表すことの
むずかしさと無意味さ。そんなものを再確認しただけでした。
でも安永さん、帰国してから必ずしも
華々しい活動をされていたわけではありませんが
音楽を通してなされたしっかりした人生設計には
見習うべきものがあります。



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レヴィン1 レヴィン2
響きあう晩秋の音物語 
スペシャルオリンピクス支援のためのチャリティコンサート
2015年11月15日(日) 紀尾井ホール

ヴァインベルク クラリネット・ソナタ Op.28
シューマン(ナイディック編) ヴァイオリンソナタ第2番 Op.21
ナイディック クラリネットとピアノのための「蛍」
ブラームス クラリネット三重奏曲 Op114

クラリネット チャールズ・ナイデック
ピアノ ロバート・レヴィン
チェロ 水谷川 優子

次回のライヴ・イマジン33で演奏予定のモーツァルトの
ホルン協奏曲第1番とピアノ協奏曲第9番「ジュノーム」では、
ロバート・レヴィンの校訂版の楽譜を使用します。
レヴィンは、モダンピアノとフォルテピアノの卓越した
演奏家として活躍すると同時にバロック、古典時代の音楽学の
世界的な権威です。特にモーツァルトの大家として
楽譜の改訂や補筆版を数多く発表しています。
チェロ奏者スティーヴン・イッサーリスが2012年11月に来日し、
ベートーヴェン作品の全曲演奏会を行った折の共演者として
会う機会を得て、暖かい気さくな雰囲気の中にも深い知性を
感じさせる印象がありました。
次の公演準備でレヴィンの演奏をCDで聴いたのをきっかけに、
見つけた演奏会は、クラリネット奏者のチャールズ・ナイデリックとの
ソナタ3曲とチェロの水谷川優子が加わってのトリオというプログラム。
チャリティーコンサートということで、会場は通常の演奏会とは
少々違った雰囲気でした。
ナイディックの明るい音色と卓越した技巧は見事なものでしたが、
シューマンのヴァイオリンソナタ第2番のクラリネット編曲は、
やはり音域や楽器の特性から窮屈なものを感じました。
自身の作品「蛍」での表現の幅は楽器の特性を十分に発揮したもの。
一方、レヴィンのピアノは、時には雄弁に語り、また背景で支えるといった
役割を巧みに切り替え、曲全体の構造や和声を熟知した
共演者としての一つの理想を示しました。
終演後のサイン会には並ぶ人が少なかったため、
ラッキーなことにレヴィンと直接お話出来る時間が予想以上にあり、
楽譜持参でいくつか本人に確かめたかった点を訊ねると、
一目で即座に確信を持った答えを伝えてくれました。
また「他の版ではここは**だが本当は**なんだ」と
和音の中の1音についても次々と溢れ出るように明確な指摘を。
膨大な知識と記憶力、聡明さに圧倒されましたが、
ここに書いてあると示された場所はなんとドイツ語。
自分自身が知識を習得するのに最低限必要な語学力と
勉強が必須であることを痛感しました。

ゲルナー
【CASCAVELLE VEL 3029】
リスト 12の超絶技巧練習曲集
ネルソン・ゲルナー(ピアノ)

ゲルナーはチェロのイッサーリスの共演者として来日した時に
本番を聴くことが出来ました。オール・シューマンプロでしたが
この時の印象がとても良くて、NHK交響楽団にも
ソリストとして迎えられているのを知りました。
難関と言われるジュネーヴコンクールの覇者でもあり、
同郷のアルゲリッチの後押しもありましたが、
今一つ地味な印象を与えていました。
リスト・コンクールの覇者でもあるそんなゲルナーの
超絶技巧練習曲集です。なにせ、「超絶技巧」という
冠のついた練習曲はこれだけです。
なんといっても、超絶ですから、腕自慢達が自身の技巧を
披露する場にしているような曲集ですが、ここでは
技巧だけに走るのではなく大変優れた音楽を披露しています。
音楽的ながら、胸のすくような技巧も垣間見えます。
ゲルナーにはハフのような切れ味はないにしても、
やはりこういった表現をする人たちがどんどんあらわれてくると、
リストの評価がもっと違ったものになってくるのではないでしょうか。
何しろ本当にきちんと弾ける人が少ないので評価のしようがない
ということが多いわけですから。
先ずはこの曲集を技巧として乗越えられる者が
ピアニストとしてのパスをもらえると考えると
世の中にプロとして打って出ることの難しさを改めて感じました。



バルトーク
【EMI 754770 2】
バルトーク ピアノ協奏曲第1番&第3番
ダニエル・バレンボイム(ピアノ)
ピエール・ブーレーズ指揮 
ニュー・フィルハーモニア・オーケストラ

バレンボイムはその著書の中で、フルトヴェングラー指揮する
ベルリン・フィルハーモニーから共演を申し込まれ、
その時にまだその時期ではないとお断りしたくだりがあります。
1954年彼が11歳のときだそうです。それから9年後、
再度の要請があり、ピエール・ブーレーズの指揮の下で
演奏したのがバルトークの1番の協奏曲でした。
曰く、「この曲は1926年以来演奏されていなかった。
~中略~ようするに非常に難度の高いプログラムだったのだ。
リハーサル時間はわずかしかなく、ブーレーズはバルトークの
この曲のむずかしさを、とくに当時この曲を演奏することの
むずかしさを甘く見ていたのではないかと思う。
ピアノ協奏曲の演奏に要する23分間のあいだ、私はずっと、
非常に滑りやすくて油断ならない地面の上を歩いているような
気がしていたことだった。この間私にはわずか数10分ではなく
24時間にも思えた。」これは演奏するものとしては
実感、共感できますねえ。(笑)
さて、3年後、同じコンビで録音されましたが、
大変自信に満ちた打鍵とオケの見事さで大変素晴らしい
出来栄えとなりました。一方、3番の協奏曲はバルトークの奥様
ディッタに捧げられたものですが、貧困の中でともに苦労した
パートナーへの精一杯の感謝を感じます。
事実ディッタはこれを涙なしには演奏できないと言っています。
バレンボイムのピアノからは愛情までを感じることが出来ました。

yatchan2003

Author:yatchan2003
2003年から活動開始。
音楽への想いを伝えたい!
お客さまと共に楽しみたい♪
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