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2016 / 03
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小澤
【PHILIPS 426 391-2】
交響曲第4番 ホ短調 作品98
ハンガリー舞曲第5番 .第6番 
小澤征爾指揮  サイトウ・キネン・オーケストラ

1989年の録音です。四半世紀前、まだ若々しい小澤さんの姿が
ジャケットに写っています。サイトウ・キネンはいわゆる
常設オーケストラではなく、1984年に優れた教育者であり
桐朋学園の創立者の一人でもあった斎藤秀雄さんの
没後10周年を記念して誕生していますが、
核になるメンバーは斎藤秀雄さんから直接指導を受けた人で
構成されています。今も尚、サイトウ・キネンの名前での
演奏活動はあるようですが、先日、当時コンサート
ミストレスを務めた潮田さんが亡くなったりして、
この録音当時のメンバーはどれほど残っているでしょうか。
指揮者までが同じDNAを持つものが集まったこの当時のものが
大変ユニークなものであることに違いありません。
さて、このCDはカラヤンがベルリン・フィルハーモニーと
よく録音していた会場を借りて収録されたもので
オーケストラの音はとても豊かなものです。まずこの点で
欧米の一流のオケに比肩しうる実力を見ることが出来ます。
では音楽はどうでしょう?とてもさらさらとよく流れますが、
音楽のむずかしさはここから。気持ちよく流れているのですが、
まだ本当の意味での訴えかけが希薄な感じがしました。
ブラームスがこの曲を作曲した時、ワーグナーはすでに
彼のあらゆる楽劇を完成させていました。
いかに古典的な形式を踏襲しようと、内在するロマン派後期の
うねるような感情表現を期待していたら
ちょっと肩すかしにあってしまいました。

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バレンボイム13歳
【Guild Historical GHCD2390】
ダニエル・バレンボイム  「ファーストレコーディングス」


バレンボイムがわずか13歳の時の録音が残っていました。
11歳のときにフルトヴェングラーを訪ね、「天才だ!」とまで
言わしめた才能が一体どのようなものなのか
とても興味がありましたが、こんな掘り出し物が残っていました。
CDジャケットの写真にはちょっと濃いめの大人びた感じと幼さの
同居はこの時期のちょっと不安定な精神状態も垣間見えます。
なんといってもまだ中学一年生。
CDにはクリスチャン・バッハの
ソナタとか珍しいペルゴレージのソナタ、モーツァルトの
「きらきら星変奏曲」そしてカバレフスキーのソナチネ、
ショスタコビッチのプレリュードなど。
まだヴィルティオーゾプログラムではありませんが、
すでに音楽そのものをきっちりと把握しています。
この能力こそ彼が後年指揮者として大きく開花することに
なる源だと思います。バレンボイムのピアノ演奏そのものは、
いわゆるピアニズムという点ではほかの魅力ある才能に
比べて劣るように聞こえてもこれこそがバレンボイムの
個性だったのですね。いずれにせよ巨大な才能が
子供のころからすでにその片鱗を見せていたことを
フルトヴェングラーならずとも確認できました。
最後に偉大な才能の出会いを「ダニエル・バレンボイム自伝
(音楽之友社)」から引用しましょう。
「1954年の夏、私はザルツブルクでヴィルヘルム・
フルトヴェングラーに出会った。私は彼に紹介され、
その前で演奏した。フルトヴェングラーは私の演奏に
強く心を動かし、一通の推薦状を書いてくれ、実際、
この推薦状のおかげで、私は多くのチャンスに恵まれたのだった。
彼はこう書いてくれた。「11歳のバレンボイムは天才だ・・」。
これが、その後20年間、私の紹介状となることになった!」



小菅
【NHK出版】
小菅優著 「情熱のカデンツァ」

優ちゃんの演奏を聴き始めたのは最近の事だったので、
録音にしても著作にしても少々古いものとなってしまいます。
この本が出版されたのは2005年ですから、
優ちゃん22歳のときの著作。
おそらく「ゴースト」が書いているものではないのでしょう、
本人の若い感性が瑞々しさに読後にとても清々しいものを
感じました。ザルツブルク、モーツァルテウムでの教育が
どのようなものか、とかショパンの前奏曲集のひとつひとつに
タイトルをつけるとか、幅広い知識を吸収していく姿勢など、
とても興味深いことが語られています。演奏を表とするなら
その演奏を支えている裏の面白さが満載でした。
「私は、いつも真実を追求すること、心の底から
ピアノを弾くことをとても大切にしています。音楽は、
科学のようにひとつの正解があるわけではありません。
けれども、ある楽曲に対して、ピアニストが勝手に
解釈をして思い入れだけで弾くのでは、
その曲の本当の魅力を引き出すことはかないません。
深い尊敬の念を抱きながら真摯な姿勢で臨み、
作曲家の真意と、その曲が持つ人間の心の奥底に
ひびくような力に耳を澄ませること、
それこそが音楽の真実に近づくことだと思うのです。」
頑張ってね、優ちゃん!





シュタットフェルト
【SONY SICC-1417】
ドイツ・ロマンティーク
ワーグナー、シューマン、ブラームスの作品から

マーティン・シュタットフェルト(ピアノ)
シュタットフェルトはドイツの期待の星、なんでしょう。
バッハコンクールで二十数年ぶりに一位を出した、
そのひとがこのシュタットフェルト。
ゴルトベルクヴァリエーションが話題をさらいましたが、
実際に聴いたのはこのCDが初めてです。
バッハはもちろんですが、なにしろドイツ本流のロマン派の
作品をずらりと並べました。こうなるとドイツ人は
ある面とても有利だなあと感じますが、
演奏は綺羅星の如く並んだ「超」一流のピアニストを
頂点とするならまだその道はなかば。
音色の変化も少ないし、テンポルバートも平凡。
こう書いてしまうと救いようがないのですが、
一流の演奏家であることは確か。美しいタッチ、歌心とかは
いいけれど、どうしても?がついてしまいます。
冒頭のワーグナーの「アルバム一葉」は
期待していたワーグナーの和音が鳴りましたが、
タンホイザーもトリスタンもどこかもどかしさがありました。
マーティン、2006年にはザルツブルク音楽祭で
ソロコンサートをしています、小菅優さんもこのときに登場。
身びいきではなく、間違いなく数段上の演奏を
聴かせたに違いありません。





yatchan2003

Author:yatchan2003
2003年から活動開始。
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