FC2ブログ
2016 / 06
≪ 2016 / 05 - - - 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 - - 2016 / 07 ≫

豊洲ホール
ライヴ・イマジン34 ドヴォルザークの調べ
2016年6月18日(土)13:30開場 14:00開演
江東区豊洲文化センターホール

弦楽五重奏曲 第3番 変ホ長調 Op.97
ヴァイオリンとピアノのためのロマンス へ短調 Op.11
ピアノ五重奏曲 第2番 イ長調 Op.81

ヴァイオリン 青山 千裕  玉城 晃子
ヴィオラ    内田 吉彦  吉水 宏太郎
チェロ      西村 淳
ピアノ     吉田 康子

6月の梅雨の合間、いきなり30度を超える猛暑日となりました。
クラシック情報誌には東京都内だけでもオペラが2つ、
オーケストラの定期演奏会、リサイタル、室内楽の催し物など
40近くの公演あまりがひしめく激戦日でした。
限られた音楽好きの人口の中から、どれだけの方々が
足を運んでくださるかと心配していました。
豊洲外観
今回の会場は、昨年9月にオープンしたばかりの
江東区豊洲文化センターホール。
ライヴ・イマジンにとって初めての会場となります。
メトロとゆりかもめの「豊洲駅」出口の目の前のビルという
抜群のロケーション、ガラス張りの背景の明るい舞台のあるホール、
そしてファッツィオーリのピアノという注目の場所でもあります。
いつものように開場時間前から、お客様がエスカレーターや
エレベーターでホワイエのある5階にいらして行列が出来始めました。
暑い中をご来場下さった方々をあまりお待たせしないよう、
早めに開場時間を繰り上げて入場して頂きました。


スポンサーサイト



幕開けはいつものように幹事の御挨拶から。

01
「何度やっても緊張する」そうで入念なリハーサルの甲斐あって、
伝えたい内容を沢山盛り込んだご挨拶となりました。

今回は「ドヴォルザークの調べ」というタイトルの通り、一般的には
「新世界交響曲」や「ユーモレスク」で知られる作曲者の室内楽作品を
並べました。当日配るプログラム解説は、よくありがちなネットからの
コピペではなく、毎回幹事が沢山の本など参考資料を読み、
自分の文章で時間をかけてまとめたものです。
この解説を楽しみにしている方々も多く、お客様から添えて頂く
感想がまた次への励みとなっています。

チェコの貧しい肉屋の息子として生まれたドヴォルザークは
ブラームスの引き立てもあり「モラヴィア二重奏曲Op.20」の
ドイツでの出版から徐々に名声を固め、32歳の時のロンドンでの
指揮の大成功により大作曲家としての地位を獲得しました。


最初は、弦楽五重奏曲 第3番 変ホ長調 Op.97
3402
51歳の時に招かれたアメリカでの3年間の充実した滞在生活中に
書かれた作品です。有名な弦楽四重奏曲「アメリカ」にヴィオラを
加えた編成で、隠れた大傑作です。
03 04 05 06 07の縮小
早起きのドヴォルザークは、4時に起床して散歩、その後に作曲が
日課でした。朝もやの中、小鳥たちがさえずり始め、陽が昇る、
そんな情景が浮かぶように始まります。
08
第3楽章は長らく温めていたテーマで「アメリカ国歌」となるべく
意図されたものでした。
3409
この曲の演奏の為にメンバーは通常の週末の練習に加えて、
仕事帰りに集まっての練習を重ねました。楽器持参で出勤し、
終業後に合奏する・・音楽への熱い想いが支えでした。
渾身の演奏はお客様にも伝わり、盛大な拍手に包まれて
感無量の思いでした。


ここで休憩。
3410
それまで背景が壁となっていたパネル開き、ガラス張りの窓から
明るい午後の日差しが降り注ぎ、豊洲の街並みが一気に
広がりました。いきなりの場面転換に客席がどよめく中、
舞台には、いよいよファッツィオーリのピアノが登場します。

まだ40年にも満たない新しいイタリアのピアノであるファッツオーリは、
最先端技術を用いての手作りであり、独自のサウンドを持つ
最高級のピアノとして瞬く間に世界中に愛好者が広がりました。
近年はショパン国際コンクール、チャイコフスキー国際コンクールなどの
公式ピアノとして採用されています。

日本の総代理店の2008年に設立。以前から噂を伝え聞いていた
こともあり、設立間もない頃に田町のショールームに行きました。
そこには、全6機種が並べてあり、ブーニンがTV番組で弾いたという
4本ペダルの最上級の特大コンサートグランドもあり、それぞれを
弾かせてもらいました。工芸品のような美しい内部には思わず
見とれてしまうほどです。キレのある現代的で精緻な音色を持ち、
最小サイズでも大きなパワーがあるという印象でした。

またパネルが閉じられて、再び演奏会場に戻ります。
2曲目はヴァイオリンとピアノの二重奏で「ロマンス へ短調 Op.11」。
元は管弦楽版での初演でしたが、昨年作曲者自身の
ピアノ伴奏版が新たに出版されました。今までは編曲者不明の
ピアノ伴奏版が用いられてきたので、この版での演奏では
初演かもしれません。
ロマンス
実らなかった初恋の女性ヨセフィーナへの気持ちを込めたかのような
哀愁あふれる美しい旋律は、映画「アンナ・カレーニナ」の映像と
共にyou tubeでも公開されています。
12  13の60%
普段オーケストラでの演奏の経験はあっても、やはりピアノ伴奏で
大勢の一般のお客様の前での独奏は滅多にないチャンスであり
大きなプレッシャーでもあります。
3414
「冒頭部分の長いソロを是非弾きたい」というピアノ奏者の
長年温めていた思い入れと、「レッスンを重ね出勤前の早朝練習の
一人合宿状態で仕上げていった」というヴァイオリン奏者の努力が
大きな実りとなった演奏でした。
3415



そしてプログラム最後は、ピアノ五重奏曲 第2番 イ長調 Op.81
3416
ドヴォルザーク絶頂期の46歳の時に作曲され、
ピアノと弦楽四重奏曲という編成では、ブラームス、シューマンに並ぶ
最高傑作とされています。しっかりとした構成にボヘミアの民族色豊かな
美しいメロディーを盛り込んだ親しみやすい曲想で
演奏機会が多い人気曲でもあります。
17
ファッツオーリの豊かで明るい音色に乗ってチェロの旋律で始まる
この曲は、ある時はヴィオラが情感込めて歌い、
ある時はヴァイオリンが心弾んで踊るような展開をみせます。
19 18
ホールに轟くような大音量から、囁くような最弱音まで
幅広いダイナミクスと歌心あふれるクリアなファッツオーリの音色は
「ピアノのフェラーリ」と呼ばれる所以でもあると誰もが実感しました。
3420

そして、アンコールにはシベリウスのアンダンテフェスティーヴォを。
21 22
よくオーケストラのアンコール曲として演奏されることの多い
小曲ですが、原曲の弦楽四重奏版での演奏です。
「祝祭カンタータ」でもあるこの曲は、新世界交響曲に似た旋律が
使われ、最後のアーメン終止では敬虔な祈りにも似た感動を呼びました。

会を締めくくるご挨拶。
23

その後に客席からガラス張りのホワイエに出てみれば、
まだ夏日のような午後の日差し。
夢から覚めるような面持ちであったお客様を
演奏者がお見送りします。演奏を終えた安堵の気持ちと
晴れがましい思いが交錯する特別なひと時です。
24 25
今回は約100名のお客様がご来場下さいました。そのうち出演者の
関係の方は3割くらいでしょうか。大半は音楽好きな常連の方々に
支えられていることに改めて感謝する気持ちです。
3426
次回のライヴ・イマジン35 は、10月29日(土)14時開演予定。
五反田文化センター 音楽ホールにて。
「フォーレ メロディーの花束2 」として開催の予定です。
弦楽四重奏曲、ピアノ五重奏曲第1番 そして歌曲「月の光」他を
演奏予定です。どうぞお楽しみに。


ドボP5
 【DG 439 868-2】
ドヴォルザーク ピアノ五重奏曲 イ長調 Op.81
ピアノ四重奏曲 変ホ長調 Op.87
メナヘム・プレスラー(ピアノ) エマーソン・カルテット

ドヴォルザークの室内楽作品では断トツに有名なのが
「アメリカ」四重奏曲と、「ドゥムキー」トリオですが、
それは標題がついていて親しみやすいからにすぎません。
ピアノ五重奏曲はその作品番号からもわかる通り、
「ドボハチ」、交響曲第8番がOp.88が作られたころのもので
ドヴォルザークの創作の絶頂にあった時期のもの。
シューマン、ブラームスの並び称される名曲です。
第一楽章、うっとりしたチェロの主題が奏されると
夢、おとぎの世界に誘います。ところがどうしたことか、
どうもこの最初でがっかり、の演奏が多いのです。
頑張りすぎたり、元気が良すぎたり、慎重になりすぎたり・。
名手プレスラーを迎えたこの演奏も絶妙のピアノのイントロの後、
奏者の力量なのかおとなしすぎて、こじんまりまとまってしまいます。
ピアノと弦楽四重奏の比重が対等のはずなのに
室内楽的な抜群のバランス感覚をもったプレスラーだけが
目立ってしまう、どちらかというとがっかり演奏でした。
プレスラーはもっとほかの「力」のあるカルテットと一緒にやった
演奏を聴いてみたいものです。

来週6/18(土)「ライヴ・イマジン34」でもこの曲に挑戦します。



zanmai2016-212x300.jpg
アンサンブル「音楽三昧」2016
巴里 百花繚乱 第1章

菊池かなえ(Fl,Rc)川原千真(Vn)田崎瑞博(Va)
蓮池仁(Cb)加久間朋子(Cem,Hp)

【曲目】音楽三昧版 田崎瑞博編曲
ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」Op.9
ラヴェル:「クープランの墓」
ドビュッシー:「小組曲」
ラヴェル:ピアノ協奏曲


「音楽三昧」、私のような者にはこの言葉には萌えますね。
木曜日の夜、オペラシティ・リサイタルホール。
アットホームな雰囲気で小さな編成で繊細な響きを聴くには
最適な場所。また透明感あふれるこのアンサンブルにとって、
ラヴェル、ドビュッシーを中心とした曲目はぴったりとはまります。
それぞれの楽器が溶け合って、ある時は懐かしい鄙びた響きが
遠い記憶を呼び起こすように、ある時は巴里の石畳に刻まれた
歴史を垣間見るように、またある時はどこか知らない土地で
ダンスをする人々を思い描くすように。演奏はいつものように
アンサンブルの方向も明確だし、技術的な錬度も超一級で
高度な音楽の遊びがありました。この吟遊詩人的な試みは
田崎さんの一番やりたいものに違いありません。傍からみると
大変な作業に見えても何をするものぞ、嬉々として編曲に
取り組んでいる姿がまぶたに浮かびます。
ピアノレスのラヴェルの「ピアノ協奏曲」、ピアノで聴くのとは
ひと味違った趣がありました。
・・・アンコールの「マ・メール・ロア」・・
気が付けばセーヌではなく、隅田川。
魔法の国からふと我にかえりました。(特別寄稿・J.N)

yatchan2003

Author:yatchan2003
2003年から活動開始。
音楽への想いを伝えたい!
お客さまと共に楽しみたい♪
をモットーに進化中。