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縮小集合写真
ライヴ・イマジン35 「ガブリエル・フォーレ メロディの花束2」
2016年10月29日(土)五反田文化センター 音楽ホール

弦楽四重奏曲 ホ短調 Op.121
歌曲 「愛の歌」、「リディア」「夢のあとに」
    「月の光」「ネル」「イスパハンのバラ」
ピアノ五重奏曲 第1番 ニ短調Op.89

10月最後の週末、ハロウィンで賑わう街並みから
少し離れた閑静な住宅街に五反田文化センターは位置して
います。直前まで冷たい雨の予報でしたが、幸いにも朝方には
雨があがり、ひんやりとした空気に包まれました。
今回は「ガブリエル・フォーレ メロディの花束2」というタイトル
の通り、2年前に引き続きフォーレの作品特集の2回目となります。
いつもなら開演前に行列が出来るのに、今回は開演後に三々五々
切れ目なくお客様が来場くださるという落ち着いた雰囲気の中、
開演となりました。

1挨拶
先ずは恒例の幹事からの御挨拶。
回を重ねる度にご挨拶にも慣れてきて、盛りだくさんの話を
予定時間内にきちんと盛り込みます。このご挨拶と共に
プログラムに記載される幹事執筆の曲目解説は、
単なるコピペではなく膨大な資料に目を通した上での
確かな知識による本人自身の言葉によるもので、他には無い
大きな説得力を持ちます。そのため大変好評で毎回楽しみに
して下さるお客様も数多くいらっしゃいます。




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2弦楽四重奏曲  3弦楽四重奏曲 4弦楽四重奏曲
最初の曲目は、フォーレ最晩年の弦楽四重奏曲。
ヴィオラのソロから始まる調性の薄い不思議な趣の旋律が
フォーレの世界に誘います。
6弦楽四重奏曲 7弦楽四重奏曲 8弦楽四重奏曲 9弦楽四重奏曲
拍節感の少ないリズム、複雑な和声の移ろいに演奏者は
とても苦労しました。古典四重奏団の田崎瑞博先生に
レッスンをお願いしてご指導頂く一方で、平日の終業後、
勤め先のオーケストラの練習をして、その後の夜9時にメンバーが
集まり終電近くまで練習を重ねました。体力的にも厳しいものが
ありましたが、いい演奏がしたいという思いで本番を迎えました。
10弦楽四重奏曲 12弦楽四重奏曲

次は歌曲の演奏です。
縮小歌曲
フォーレは生涯にわたって数多くの歌曲を作曲しました。
詩にインスピレーションを得て、調性の束縛からメロディーを
解き放った美しい作品が芸術家や教養人の集まりとして
格調高いパリのサロンで初演されました。
58歌曲  60歌曲
 今回演奏者が選曲したのは、奇しくもフォーレ自身の生涯の
若い頃に作られた名曲揃いでした。恋人に「大好き」と繰り返す
他愛のない「愛の歌」から始まり、全音階を使用した「リディア」、
カザルス編曲でチェロの曲としても有名になった「夢のあとに」、
軽快な「ネル」、異国情緒溢れる「イスパハンのバラ」など、
中でもヴェルレーヌの詩での「月の光」はピアノ奏者の希望での
選曲でした。安定した明るく美しいソプラノの素晴らしさに、
客席は酔いしれたひと時でした。

縮小ピアノ五重奏曲
休憩後は、ピアノ五重奏曲第1番。フォーレが15年の歳月をかけて
温めて完成したもので、ピアノ五重奏の中で最も美しい曲です。
さざ波のようにかすかなピアノのアルペジオで始まり、
ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロが順次加わって厚みを増していきます。
113ピアノ五重奏曲 117ピアノ五重奏曲 115ピアノ五重奏曲 116ピアノ五重奏曲
印象派の絵画のように、光がきらめき和音が溶け合いながら色が
変わっていきます。この曲の楽譜は約10年前には絶版状態でした。
国内に輸入した2冊のうち1冊を神戸でなんとか手に入れて、
ようやく演奏が可能になりました。


アンコールには、名曲「優しき歌」の終曲「冬が終わった」を。
この曲のピアノ五重奏版での演奏は以前にライヴイマジンでも
取り上げていますが、数ある歌曲の中でも1,2を争う名曲です。
縮小アンコール写真1
201アンコール 203アンコール
この曲を是非歌いたいと思い、自分の声に合わせて、楽譜を
自分で全部書き直しました。演奏は5分ほど60小節弱ですが、
1小節にピアノのアルペジオの音符が24個並びます。
それを書き直すだけでも気の遠くなるような作業でした。
冬が終わって暖かい明るい春への喜びに溢れた曲を
若草色の美しい衣装に輝くような笑顔で歌いました。
ピアノ伴奏とはまたひと味違った弦楽合奏とのアンサンブルを
聞かせました。
縮小アンコール写真2
おかげ様でライヴ・イマジン35は、無事盛会のうちに
終了しました。どちらかというと地味なフォーレの作品だけの公演で
約110名のご来場があったことは、とても嬉しい事でした。
次回は新年1月28日(土)すみだトリフォニー小ホールにて、
ベートーヴェンの作品での公演です。どうぞお楽しみに。

次回予告 ライヴ・イマジン36 
新春のベートーヴェン

2017年1月28日(土) 
すみだトリフォニー 小ホール

弦楽三重奏曲 ハ短調 OP.9-3
ピアノと管楽器の為の五重奏曲 変ホ長調 Op.16
七重奏曲 変ホ長調 Op.20

野原 国弘(オーボエ) 佐藤 拓(クラリネット) 奥山 薫(ファゴット)
中原 淳子(ホルン) 玉城 晃子(ヴァイオリン) 畑 修一(ヴィオラ)
西村 淳(チェロ) 北村 隆男(コントラバス) 吉田 康子(ピアノ)




フォーレの歌曲
【東芝EMI TOCE-8651】
フォーレ歌曲全集~
エリー・アメリンク(ソプラノ) ジェラール・スゼー(バリトン)
ダルトン・ボールドウィン(ピアノ)

フォーレの歌曲を聴くにはおそらく避けて通れぬ巷では有名な録音です。
若い頃のOp.1-1は「蝶と花」やOp.5-2の「愛の夢」など
初めて聴くものもあり、とくに前者は16歳の時の作品。
フォーレらしさはまだ蕾。音楽学校の生徒で、食堂で作ったもの
だそうです。アメリンクの透き通るような美しく、確かな音程に
支えられた表現は曲の本質をそのまま伝えてくれます。
彼女のことをいままであまり積極的には聴いてこなかったことに
反省もあるもののいかがでしょう。スゼーに比べてフランス語の発音が
とがっているのが難点かもしれませんが、まあこんなものかもしれません。
一方、スゼーのバリトンはちょっと音程にも問題があるし、こんなに
がならなくても。有名な「リディア」はもっと密やかじゃないかしら
そして淡々と感動も感情もないボールドウィンの伴奏は
ちょっと消化不良。あくまでもアメリンクを聴く録音でした。
残り4枚。しばらくはこの特別に美しい世界とお付き合いです。


フォーレのスコア
【Musikproduktion Hoeflich】
スタディ・スコア 114

フォーレ ピアノ五重奏曲第1番 ニ短調 Op.89
練習の時には、ほとんどの人がスコアを持参します。
どれだけ役に立っているかは本人次第ですが、
まずこれがないと弦楽器奏者はつとまりません。
なぜなら自分の弾く分しか楽譜(パート譜)にはないので、
スコア(総譜)を見ないと、他の人が何をやっているのか
さっぱりわからないのです。
素朴な疑問は、ピアノの入った室内楽の場合、
ピアノ譜の上にはほかのパートが小さめではあってもちゃんと
印刷されているのです。どうしてこういう慣習ができたのか
教えてほしいくらいですが、とにかくスコアは演奏するには
絶対条件になります。オイレンブルク(イギリス)なんていう
スコア専門会社も存在するくらいですから。
この曲の出版はアメリカのG.Schirmer(!)から1907年、
初演の翌年に出版されています。演奏譜もながらく手に入りにくかった
ものですが、最近のスコアはなぜかドイツのHoeflichです。
それは出版されているようですが、なかなか入手しにくいもの
とのことで、店頭でみつけたらどうかお見逃しなく。
(特別寄稿 J.N)

■管理人より文中の言葉について少し補足します。
一般的には、「スコア」というと何かの「点数」みたいな
意味合いで使われると思いますが、音楽の場合の「スコア」は
演奏する全部の楽器の楽譜が書いてあるもので
「総譜」と呼ばれるものです。

オーケストラの曲だと指揮者の楽譜に全員分の楽譜が
書いてあり、指揮者はそれを見ながら各奏者の動きを把握して
全体をまとめていくことになります。

上記の文章にもありますように、ピアノの入った室内楽では、
ピアノの楽譜に全員分の楽譜が書いてあります。
これは、ピアノが指揮者と同様の役割を担う為だと思います。

フォーレのこの曲の冒頭部分は以下の通りです。
上の段から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン
ヴィオラ、チェロ、そして沢山の音符が書いてあるのが
ピアノです。このページの上段は全員の1小節目、
下段は全員の2小節目です。この曲はピアノで始まり、
2小節目で第2ヴァイオリンが旋律を弾きます。
フォーレP5冒頭のピアノ譜

そして、「パート譜」というのは、
それぞれの楽器の担当部分だけが書かれている楽譜です。
以下は、それぞれの楽器ののパート譜です。

上段左が第1ヴァイオリン、その右隣が第2ヴァイオリン
下段左がヴィオラ、その右隣がチェロです。
フォーレP5冒頭のVn譜セカンド
ヴィオラパートチェロパート

ご参考までに。




yatchan2003

Author:yatchan2003
2003年から活動開始。
音楽への想いを伝えたい!
お客さまと共に楽しみたい♪
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