FC2ブログ
2017 / 02
≪ 2017 / 01 - - - 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 - - - - 2017 / 03 ≫

チョントリオ
【DG 453 488-2】
ベートーヴェン・トリプルコンチェルト Op.56 ほか
チョン・トリオ 
チョン・ミョンフン指揮 フィルハーモニア管弦楽団

チョン・トリオの3人がいればトリプル・コンチェルト。
そんな企画がちゃんと実現していました。とってもいい音で
録音されています。そのせいかオーケストラの細かい動き、
キレのある表現が印象的で、しっかり前に出てくる、
この時代のフィルハーモニアのフルートはケネス・スミス氏
でしょうか。さて肝心の3人ですがこの曲はチェロがとても
活躍しますが、やはりちょっと最年長、チェロのミュンファが
ほかの二人に比べると自己主張が弱いのが残念。
でも全体からみるとミョンフンのオケのドライブは
同質のピアノと相まってすっきりとした見通しの良い
ベートーヴェン像を描いて見せます。さすが。
お姉さんキョンファのヴァイオリン、こちらも余裕たっぷりと
リードしていきます。今なお韓国の演奏家に西洋音楽が・・
なんていうことを言っている無知蒙昧な輩は放っておきましょう!






スポンサーサイト



ます
【PHIILIPS 446 001-2】
シューベルト ピアノ五重奏曲 イ長調 「鱒」
モーツァルト ピアノ四重奏曲第1番 ト短調 KV478
アルフレート・ブレンデル(ピアノ)
トーマス・ツェートマイヤー(ヴァイオリン) 
タベア・ツィンマーマン(ヴィオラ) 
リチャード・ドゥーヴェン(チェロ)
ペーター・リーゲルバウアー(コントラバス)

最初の音を聴いただけで、この録音がほかの
どのようなものよりも優れた面を持っているなって
すぐにわかりました。「鱒」は超有名曲なのでいろんな
アプローチが可能でしょうけれど、凛とした背筋の伸びた
贅肉をそぎ落としたような「形」を美しいとするなら
最高のものでしょう。ブレンデルは少し神経質な感じがして
あまり好みのピアニストではないのですが、
この場合はツェートマイヤーをはじめとする才能豊かな
メンバーに囲まれて自分の思い通りのイメージを音に
することができています。それにしてもこの磨き抜かれた
音たちの美しさはどうでしょう。ここにも音の宝石が。
少し低弦の二人が物足りない感じもしますが、これに
ヨー・ヨー・マを入れればいいというものではありません。
モーツァルトについてはきっと、ブレンデルお得意の
レパートリーなんでしょう。シューベルトよりもなお一層
自信にあふれた表現に脱帽します。押し寄せる波のように
次々と変化に富んだ曲想が見事にその姿を現し、
いつのまにか音楽の中に没頭している
頭のいい人たちの演奏です。

巖本真理
【新潮社】
「巌本真理 生きる意味」
 山口玲子著

乳がんを患った真理さんが、執刀医に「このまま
バイオリンが奏けなくなってしまうなら、救っていただいても
生きる意味がないのです」と訴えたと言います。
バイオリンが体の一部であり、それを通じて自分の言葉を
世の中に放つ。真の意味での芸術家がここにもいました。
よく言う、まず「生きること」、生きてからこそバイオリンが・
などという言葉はここでは通用しません。
巌本真理さん、1926年にアメリカ人の母と日本人の父との
間に生まれました。そして最も多感な時代を最も困難な時代に
過ごしています。異質なものを潰そうとする「いじめ」により
不登校にまでなってしまいました。そんななか12歳で
音楽コンクールの一等賞、20歳で東京音楽学校(藝大)の
教授に抜擢されましたが、華やかなソリストの道を捨て
最もストイックな「弦楽四重奏」という世界でその存在を
しられました。この本は比較的淡々とその生涯を描いて
みせますが、サクセスストーリではなく一人の人間・
巌本真理が53歳で短い生涯を閉じるまで己の信じる道を
突っ切る姿が鮮やかに浮かび上がります。
自分の音楽を信じる、こうじゃなきゃだめだ、という言葉は
自分の音楽そのものだったのでしょう。
世に天才と呼ばれる才能を持った人たちはみな同じDNAを
もっています。巌本真理弦楽四重奏団を生で聴く機会を
持たなかった私はとても残念です。
真理さんの言葉を受け止めてみたかった。

シューベルト
【VOX VOXBOX CS3X 3041】
シューベルト 「さすらい人」幻想曲
即興曲集Op.90&142 ほか
アルフレート・ブレンデル(ピアノ)

1959年から1962年にかけてのブレンデルの録音です。
二十代後半から三十代初め、アメリカVOXに遺したものの
ひとつで、ここではお得意のシューベルトがたっぷりと
入っています。しかも「さすらい人」はオーケストラ伴奏版
まで。ブレンデルはどちらかというと苦手なほうに入る
ピアニスト。音はきれいだけど、頭で作り上げたものが
どうしても鼻についてしまう印象があります。
ただこの頃のブレンデルは前途が大いに期待される
ピアニストだったに違いありません。
とても自然に音楽と対峙しているし、作為的なものが
ほとんど感じられません。音のみずみずしさは
録音されてから50年を考えると驚異的ですし、
丸い輪郭の音はおそらくベーゼンドルファーの音でしょうか?
息苦しさもなく、このシューベルトは心から愉しむことが
できました。平凡か?でもこれ以上の演奏が可能な人は
と考えると思いつかないのも事実です。




yatchan2003

Author:yatchan2003
2003年から活動開始。
音楽への想いを伝えたい!
お客さまと共に楽しみたい♪
をモットーに進化中。