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2017 / 06
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チョンミュンフン
【ECM 2342】
チョン・ミョン・フン(ピアノ)

チョン・ミョン・フン、言わずと知れた韓国の大指揮者ですね。
東京フィルハーモニーの音が彼が指揮をしたときには
筋肉質のきびきびしたものに変わったのにはびっくり。
たしかNHKの新春の番組だったと思います。
彼はまた1974年のチャイコフスキーコンクールで2位になった
実績ももっています。一時期、チョントリオとして姉二人と
一緒にピアノトリオを演奏したりしていました。
そんなチョン・ミョン・フンにはいままでピアノソロを録音したものは
ありませんでした。今回のECMへの録音も、
もうピアノ弾きじゃないからとあまり前向きではなかったようですが、
お孫さんへのプレゼントにしたくなったようで、一念発起、
昔取った杵柄です。決してピアノを弾く時間に恵まれているはずも
ないのですが、さすがに指捌きは見事で、シューベルトの即興曲
Op,90-2なんかは鮮やかに鍵盤を駆け巡ります。
表現については音のないところをうまく使います。ただご本人が
わかっているように専門家にくらべるとどうしてもピアノそのものの
魅力に欠けてしまいます。それは音色の変化だったりコントラストの
対比だったり。昔、TV番組でチョンさんが日本の小学校を訪れ、
オケの指揮、指導をしている場面がありました。その最後にピアノに
向かい取り囲んだ子供たちに語り掛けるように弾いた「トロイメライ」の
美しさがとても印象に残っていて、期待が大きかった分
今回はちょっと残念でした。




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マガロフ
【DENON COCO75564】
「マガロフ、ワルツを弾く!」
ドビュッシー、モシュコフスキ、シベリウス、ウェーバー、
レヴィツキほかワルツ集
ニキタ・マガロフ(ピアノ)

なんて温かい音楽でしょう!
ヴィルティオーゾの超ハイテク、自在な感情表現などなど
それはそれぞれのピアニストが見事な音楽を聴かせてくれますが、
マガロフはまず作曲者がそこにいるのをとても強く感じさせてくれます。
なるほど、アルゲリッチもルイサダも、ダルベルトも困ったことがあると
相談しに来るというのも頷けるもの。
シューベルトの未出版のワルツはフランツがこっそりと自分のために
楽しんでいる風情だし、ヨハン・シュトラウス「春の声」は
ウィンナワルツがそこに。左手の微妙な1拍めと2拍目の間に
とろけそうです。ショパンのワルツはさすがにもっと個性的なものが
あるためまあこんなものかと思ってもやはり温かい。
さあ食わず嫌いだったマガロフ、これからどんどん聴いてみましょう。
私にもきっと多くのものをその音楽を通じて教えてくれるはず。




バーバらぼにー
【TELDEC 4509-90873-2】
シューベルト 歌曲集 
バーバラ・ボニー(ソプラノ) 
ジェフリー・パーソンズ(ピアノ) 
シャロン・カム(クラリネット)

シューベルトの歌曲集とくれば偉大なる
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウとジェラルド・ムーアであり、
エリザベート・シュヴァルツコップとエドウィン・フィッシャーであり、
今でもまったくその地位をゆるぎのないものとして聴かれています。
録音にもそろそろ「古典」が出てくるのでしょう。
ただ偉人たちの表現があまりにもうますぎ、完璧すぎることに
時には抵抗があるというのは人間が矛盾だらけの生きものである
証でしょうか。バーバラ・ボニーについていうならリリックな声質に
まず惹かれます。楽器以上に個性の出る「歌」の世界では
オペラを得意にする人とリートに向いている人があるように感じます。
分野を限らず沢山録音しているようですが、ボニーは
リートだと感じます。声量のあるオペラ歌手がリートをやると、
やはり場違い。シューベルトの歌曲はその内容がすごいだけに
ボニーの声質だけでは勝負できないところがあって、
「古典」に比べるとどうしても分が悪くなります。
音程もリズムも抜群だし、声もきれい、伴奏者だって最高。
じゃあ何が?ってここでも「音楽」のカベがあることに気づきます。



トスカニーニ
【クラウン PAL-1062】
ハイドン・交響曲第31番 ニ長調 「ホルン信号」
交響曲第98番 変ロ長調 ほか

録音は1938年第二次大戦前夜、NBC交響楽団とのライヴ
音源です。ハイドンを多く録音していないトスカニーニですが、
なるほど見事なもので、ハイドンとの相性が抜群だと
思いました。颯爽としたテンポと大きなダイナミクス、
大変シンフォニックで、緊張感にあふれあっという間に
全曲を聴き通してしまいます。
5月のライヴ・イマジン祝祭管弦楽団でも取り上げましたが、
98番は演奏されることの少ない作品ながら、大変充実した
作品です。若くして死んだ後輩、朋友でもあったモーツァルトが
作ったジュピター交響曲へのオマージュと言われることも
あります。2楽章にイギリス国歌が聞こえてくるなど、
聴きどころ満載ながらなかなか曲の本質に到達できなかった、
そして広く知られることのなかったのは、
単に良い演奏が今迄に無かったからだ、ということが
これを聴いてよくわかります。
そしてトスカニーニの偉大さを改めて実感しました。
私達の演奏からもこの曲の魅力が少しでも伝わったのであれば
嬉しいです。(特別寄稿 J.N)


yatchan2003

Author:yatchan2003
2003年から活動開始。
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