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2018 / 08
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ヨッフェ
【ビクター VICC-63】
ショパン ワルツ全集 幻想曲 Op.49
ディーナ・ヨッフェ(ピアノ)

1975年のショパン・コンクールでどうしてヨッフェが
優勝できなかったか舞台裏の様子をライナー・ノーツは
伝えている。コンクールにつきものの話ながら、
1位のツィメルマンは大ピアニストに成長したし、その意味では
順番はまちがっていなかったのかもしれない。さて、ワルツ集。
ヨッフェのピアノはあまりこれ見よがしなルバートを多用しない。
絶妙なタッチと、おおきなダイナミックレンジ、間の取り方の
うまさは特筆もの。酔わせてくれるような演奏とは違うけれど
このやり方もありと納得させてくれるものがあります。
コンクールで魅せた夢見るような笑顔を忘れられない人は
私を含めて多いに違いありません。さらに幻想曲の演奏は
実に堂々としていて、もてる表現方法を縦横に駆使し大変な
名演となっており、さすがにこのレベルの演奏をできる人は
数少なく、曲が立派な分とても聴きごたえがしました。
ただジャケットにある通り、ショパンよりヨッフェの名前が大きく
クレジットされていて、これは逆じゃないかと思います。
ピンクの文字と言い、その演奏とは真逆のため違和感を
感じます。解説書には使用ピアノの情報もないし、
こうなるとやはり借り物の文化を感じてしまいます。
(特別寄稿:JN)


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マリーノ
【Marston LANGNIAPPE Nibya Marino】
ニブラ・マリーニョ(ピアノ)
・チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 Op.23
・バラキレフ イスラメイ
・ラフマニノフ、スクリャービン、アルベニスなどの作品

この人の名前はまったく知りませんでした。解説によると
1920年にウルグアイで生まれ、2014年に亡くなっています。
いわゆる神童の一人としてアルトゥール・ルービンシュタインが
ブエノス・アイレスのコロン劇場に連れていき、シューマンの
協奏曲をアンセルメと演奏した少女はその時11歳だった
そうです。その後15歳にして、コルトーの門下生として
4年間をパリで過ごし1938年のイザイコンクールで入賞、同じ頃
やはりコルトーの生徒だったリパッティと邂逅しています。
その後はクライバー、ミュンシュ、マルティノン等との競演と
輝かしいキャリアを誇ります。
ではどうして忘却されたピアニストになってしまったのでしょう?
その答えをこれらの録音を聴いて納得しました。
メカニックのすさまじさはチャイコフスキーの3楽章のテンポを
聴いただけですぐに理解できるし、つぎが最難曲として知られる
イスラメイ。これだけでも賞賛に値するのかもしれませんが、
聴き続けると飽きてしまい何を聴いても同じように聴こえてきます。
まるで自動ピアノが演奏しているかのような何の感動もない
音楽でした。神様は残酷なものです。
彼女にはギフトを授けなかった、としか言いようがありません。




シゲティ
【キング KICC2205】
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ(K305,K380,K301,K377,K526)
ヨーゼフ・シゲティ(ヴァイオリン)アンドール・フォルデス(ピアノ)

シゲティ51歳の時の録音(1943年、ニューヨーク)です。
録音は戦中ということもあり、条件は良くなかったと思います。
ただ、このCDの復刻は鑑賞するのには十分音楽的な
クオリティが維持されているだけでなく、極上の音楽を
提供しています。ヴァイオリンはとにかく自己主張が
しっかりしているけれど、それはとてもモーツァルトの音楽に
寄り添ったもので、いつまでも聴いていたい、
ああ、これが終わらないでほしいと思ってしまいます。
フォルデスのピアノもしっかりとヴァイオリンに
寄り添うだけでなく、よく聞くとチャン言うべきことは言っている。
ヴァイオリンを立て、寄り添うことで音楽的な達成をしている。
本当は音楽的な主役はヴァイオリニストではなく、
ピアニストのはずですがあまりそうしてしまうと、なんか
つまらなくなってしまう。美しさに背を向ける、
中身を抉り出すシゲティ。並みの作曲家の作品だったら
演奏者に支配されてしまうところ。さすがにモーツァルトです。



グールド
【筑摩書房】
「グレン・グールドのピアノ」
ケイティ・ハフナー著 鈴木圭介訳

グレン・グールド、私にとっては「ゴルトベルク」ではなく
ピアノを始めたころの「インベンションとシンフォニア」でした。
しかしながら彼の録音から感動をもらったことは
ありませんでしたがこんなところで感動をもらうなんて。
良書です。グールドの音楽と、スタインウェイのピアノ、
そして調律師たちの織りなす物語。グールドのピアノへの
こだわりは半端ではありません。ひたすらそれは彼の音楽に
奉仕するべきものとして。一切の妥協を許さぬ姿勢は
ゴルトベルクの2度目の録音に日本のメーカーの楽器を
手にせざるを得ない状況にまで追い込まれます。
そしてこのアルバムがリリースされてから1週間後、
以前の録音よりさらに光芒を放つゴルトベルクに
抱かれるようにしてグールドはこの世を去ります。
彼亡き後にあるピアニストがグールドの愛機CD318で
バルトークを弾いたとき、まるでそれを嫌がるかのように
トロントのほうに身をよじって逃れようとしたピアノに問います。
「あなたはどこへ行こうとしているの?」と。
このエンディングに感動しました。グールド聴くべし。
食わず嫌いはもしかすると人生にとって大きな損失に
なるところでした。(特別寄稿・J.N)



yatchan2003

Author:yatchan2003
2003年から活動開始。
音楽への想いを伝えたい!
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