FC2ブログ
2018 / 12
≪ 2018 / 11 - - - - - - 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 - - - - - 2019 / 01 ≫

トリオ1
イザベル・ファウスト、ジャン=ギアン・ケラス
&アレクサンドル・メルニコフ
~ベートーヴェン ピアノ三重奏の夕べ~
2017年10月11日(水)銀座 王子ホール

ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲 第6番 変ホ長調 Op.70-2
シューベルト:ノットゥルノ 変ホ長調 Op.148, D897
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲 第7番 変ロ長調 Op.97 「大公」

イザベル・ファウスト(ヴァイオリン)
ジャン=ギアン・ケラス(チェロ)
アレクサンドル・メルニコフ(フォルテピアノ)


今日はピアノトリオの演奏会に行ってきました。
それぞれが素晴らしい演奏をするのは以前からCDで聴いて
知っていました。直前に聴いたフランクのヴァイオリンソナタ、
ショーソンのコンセールの演奏が印象に残っています。
是非、生の演奏を聴きたいと思っていましたが、
前回のシューマンのトリオの演奏会は、受付開始直後に完売で
残念ながら聞き逃していましました。
室内楽は一般受けしない地味なジャンルですが、
彼らの良さをちゃんと知っている人達がいるものです。

今回も発売開始直後から電話がつながらず、10分後にやっと
つながったら最後列しか空いていない状態でした。
それでも何とかギリギリ滑り込みセーフでチケットを入手。
楽しみに会場に到着。
トリオ2縮小
ステージには1820年製というフォルテピアノ。
まだベートーヴェンが存命中のもの。美しい木目と
端正なフォルムに期待が膨らみます。
調律師が念入りに調整していました。
会場は満席、年齢層は高そうです。
トリオ3縮小
最初のベートーヴェンの6番のトリオは
あまり知られていない作品ながら、最初の一音から耳が釘付けに。
ピアノの高音の美しさと言ったら!また最弱音でもファウストの
「スリーピング・ビューティ」というストラディヴァリウスは
会場の最後列の私まで突き抜けてきます。
ダイナミクスの広さ、フレージングの見事さに夢中になって
聴いていました。ケラスはバロックボウを使用しつつも
エンドピンも使っているのは、中庸のスタイルなのでしょうか。
そしてこのトリオをしっかり支えるのは、メルニコフのピアノです。
完璧なテクニックと表現力を土台に2人の弦楽器を
余裕たっぷりに泳がせる様はさすがという他ありません。
モダンと違ってフォルテピアノは…などと考える隙間も無い
素晴らしい演奏で魅了しました。
3人のバランス、音色、響きを考えるとやはりこの楽器でなければ
出来ないだろうというものが確かにあります。

2曲目は私の憧れの曲、シューベルトのノットゥルノでした。
ゆったりと美しい曲というイメージでしたが、
この3人の手にかかると素晴らしく大きく優美な曲になりました。
色を変え、和声を変えても常に美しく揺れ動く様は、
ただただタメイキばかり。
いつかは弾いてみたいと思っていましたが、
こんな演奏を聴くと手を出してはいけないのでは?とさえ。

休憩を挟んで、最後は大公トリオ。
この曲はプロでもアマでも演奏される機会の多い名曲。
出だしのピアノの堂々とした旋律はいかにもベートーヴェン
という雰囲気です。耳慣れたテーマもフォルテピアノだと
柔らかに響きます。ファウストのヴァイオリンはフレーズが
手に取るように見える気がするほど見事なものです。
ケラスのチェロがそれに応えて支えます。知っている筈の曲が
全く別格の素晴らしく高雅な大曲に聞こえました。
大公ってこんな曲だったんだ・・。
もっと聴き続けたい、と時間を忘れる瞬間です。

アンコールはシューマンのトリオ第2番の第3楽章。
ベートーヴェンとは違った響きを持つ曲の魅力を
余すところなく表現する見事なシューマンに頷き、
やっぱり前回も是非聴きたかったと。

よく爆演という言葉が使われることがあります。
この夜の演奏会はその対極にあるものでした。
熱くなる演奏は、もしかすると素人臭い、と置き換えても
よいのかもしれません。熱いだけとなるとアマチュアの
専売特許ですから。ニュアンス、音色、楽器の選択などなど
繊細な表現は拍手をするほうにもよく表れていました。
たった300人のための特別な今夜の演奏会。
10月、まだあたたかい空気に包まれて、会場を後にしました。


スポンサーサイト

この記事へコメントする















yatchan2003

Author:yatchan2003
2003年から活動開始。
音楽への想いを伝えたい!
お客さまと共に楽しみたい♪
をモットーに進化中。