2018/10/06 21:49:20

【alto ALC 2014】
ショパン ノクターン全集
キャスリン・ストット(ピアノ)
ストットといえばヨー・ヨー・マのピアニストとして知っている人も
多いはずですが、思ったよりもソロのレコーディングも多く、
これは一度はきちんと聴いてみようと思っていました。
ノクターンがその素材であれば、ごまかしのきかないだけに
うってつけです。まず、この人がとてもきちんと、そしてきっちりと
ピアノを弾くことが出来るということが理解できます。
ただそれだけで、2曲くらい聴いてみてそれから先には
どうしても進めませんでした。つまり面白くなかった
ということです。教科書にあるような楷書体の音楽。
ノクターンは微妙に揺れ動くものがほしいところですが、
ルバートも控えめで、がんじがらめな演奏になっています。
ヨー・ヨー・マのやりすぎなくらいの表現力のおこぼれには
預かっていなかったようです。辛口コメントになって
しまいましたが、ピアニストとしてここまで来るのも
それこそ血のにじむような努力の裏付けがあるし、
それはもしかしたら身体の不調さえ伴うものです。
ただ批評をするのは簡単、そんなことを知っている以上、
同じことをもしかするとそれ以上をやっていながら
超のつく一流になれなかったこの世界の厳しさ、
怖さ、を嚙みしめました。
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